日本にない日本車 ~日本にない「トヨタ カローラ」~/桃田健史(3/3)
- 筆者: 桃田 健史
なんと「レビン」復活!中国では二系統で別々のモデル投入
2014年4月20日、北京モーターショー。近隣の地下鉄の駅を降りて、会場に向かって歩いていると「雷陵LEVIN」の看板を目にした。
そして会場内での報道陣向け記者会見では、キャッチコピー「一歩追夢~歩歩向前」を強調。イメージキャラクターに米人気歌手のビヨンセを起用して、若い層へのアピールを拡張した。
注目の新型車は、新型「カローラ」。欧州モデルを基調とした直線的なデザインフォルム。北米仕様とは明らかに違いがある。そしてもう1台、それが「カローラLEVIN」。こちらは欧州仕様と北米仕様の『いいとこどり』をしたような雰囲気だ。
前者が第一汽車との合弁・一汽トヨタで、後者が広州汽車との合弁・広汽トヨタで製造され、それぞれのディーラーで販売される。中国政府は自動車産業で『製販一致』(製造と販売を同系列にすることを事実上の義務付け)を提唱している。
2013年、トヨタの国内販売数は前年比9.2%増の91万7500台。それを2014年には一気に110万台まで押し上げる。
新車発表の翌日、新聞等の経済系日米メディアとの記者懇親会で、中国トヨタ幹部は「目標110万台はかなり強気と受け取られるかもしれないが、カローラを中心に、中国内陸部で拡販すればおのずと数字はついてくる」と説明した。
また2015年には、「カローラ」「カローラLEVIN」それぞれにハイブリッド車を投入。それぞれの販売総数のうち2割をハイブリッド車にするという。中国では2014年春になってやっと「プリウス」が全国販売されたばかり。中国ではまだ、自動車に対する環境意識が浸透しておらず、「プリウス」の販売量も日本と比較すると極めて少ない。そうした状況を、「カローラ」で変えようというのだ。
トヨタにとって大きな勝負である中国市場で、しかもハイブリッドで「LEVIN」の名を復活させた。
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