日本にない日本車 ~新興国専用ミニバン「トヨタ イノーバ・アバンザ」~(3/4)

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:トヨタ自動車・桃田健史
日本にない日本車 ~新興国専用ミニバン「トヨタ イノーバ・アバンザ」~
[日本にない日本車] [日本にない日本車] [日本にない日本車] [日本にない日本車] [日本にない日本車] [日本にない日本車] [日本にない日本車]トヨタ アバンザ[小型ミニバン]を用いたタクシー車両(フィリピン・マニラにて) [日本にない日本車]トヨタ イノーバ(フィリピン・マニラにて) [日本にない日本車]トヨタ イノーバ[右のモデル](フィリピン・マニラにて) [日本にない日本車]メトロマニラ(マニラ首都圏)・マカティ市(フィリピンの金融都市)の朝の風景 トヨタ ヴィオス[インドネシア製] 画像ギャラリーはこちら

ダイハツと共同開発した「アバンザ」&「ゼニア」

世界で人口が多い国ランキング。第1位は中国(13.8億人)、第2位はインド(12.4億人)、第3位はアメリカ(3.8億人)、そして第4位はインドネシア(2.5億人)だ。

参考までに第5位以下は、ブラジル、パキスタン、ナイジェリア、バングラデシュ、ロシア、そして日本と続く。

自動車メーカーとしては、量産効果を狙うため、こうした多人口の国に向けた商品戦略を立てるのは当然だ。その策のひとつが、前述のIMVだ。さらに、人口の多い国それぞれに向けた専用車も考えなければならない。

より小さく、よりやすく、でも大家族が乗れるように

トヨタ ヴィオス[インドネシア製]

そうしたなか、人口ランキング世界第4位のインドネシアに注目が集まる。

ASEANでの自動車産業の中心はタイだ。そのトレンドがASEAN(東南アジア連合)全体に流れている可能性がある。だから、人口がタイの隣国、インドネシアでも「IMVで十分戦える」と、トヨタは思っていた。

ところが…。そうは問屋が下ろさなかった。

インドネシアでは「イノーバ」よりもサイズが小さく、価格がより安く、しかも大家族が一緒に乗れるクルマがベストマッチ。その結果、「イノーバ」は苦戦した。

[日本にない日本車]トヨタ アバンザ[小型ミニバン]を用いたタクシー車両(フィリピン・マニラにて)

そうしたなかで、「アンダーIMV(IMVのひとつ下のカテゴリー)」という考え方が生まれた。

そこで白羽の矢が立ったのが、トヨタのグループ企業、ダイハツだ。

「ビーゴ」と「ラッシュ」のプラットフォームを活用し、「アンダーIMV」の開発が進んだ。そして登場したのが、トヨタ「アバンザ」。ダイハツのブランドでは「ゼニア」という。

同2社は、トヨタ、ダイハツの予想を遥かに超える大ヒットとなった。

[日本にない日本車]

ボディ寸法は、全長x全幅x全幅=4150mmx1660mmx1695mm、ホイールベースが2655mm。

エンジンは当初、1.0リッター、1.3リッターが主体だったが、2011年発売の第二世代から1.5L直4「3SZ」(101ps/133Nm)が主力となっている。トランスミッションは4ATと5MTと採用。

価格は1億8610万ルピア(1ルピア=0.0086円換算で、約160万円)。

生産拠点は、インドネシアの地場大手との合弁企業、P.T.アストラ・ダイハツ・モーター。 同社の年産規模は33万台に達する。最近は、タイ、フィリピン等、ASEAN各国への輸出も順調に伸びている。また、ダイハツはこのほかの海外生産拠点は、マレーシアとベネゼエラにある。

[次ページへ続く]

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ タウンエースバンの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ タウンエースバンのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ タウンエースバンの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ タウンエースバンの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ タウンエースバンのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる