【日本にない日本車】トヨタ アイゴ/桃田健史(2/3)
- 筆者: 桃田 健史
ボディスタイルは、初代と同様に3ドアと5ドアがある。
外装は10箇所が「取り替え可能」で、カラーコーディネーションが楽しめる。
そして車内に入って「ウァ~、随分質感が上がっなぁ」と思った。
そもそも「AYGO」はコスパ最重視で開発された。製造はPSAと共同出資で設立したTPCA(トヨタ・プジョーシトロエン・オートモーティブ)。その場所は人件費など固定費が抑制できるチェコだ。
筆者は以前、日経BP社発行の媒体の取材で同拠点を詳細取材したことがある。チェコの首都、プラハからクルマで1.5時間ほどの田舎町に、ポツ~ンとTPCAがあった。生産設備の基本設計はトヨタが行なった。PSAは部品調達や物流戦略を主体に担当していた。
「AYGO」、「107」、「C1」という三兄弟を混流生産していた。取材当時、内装については「まあ、コスパ優先なら、これで仕様がないかな…」という印象を持った。
その後、マイナーチェンジを受けて内装も一部改良されたが、新型ではさらに大きく一歩、改良が進んだ。それは、表皮処理、部品の合わせなど部品そのもの精度や質だけでなく、外装と同様な「(外国人に向けた)アーバン・東京」の表現が、「空間の質感」を上げているのだ。
また、運転席に座ってみると、前モデルに比べて「ちょっとスポーティ」。そう直感した。これはダッシュボードのデザインによるものではない。プレスリリースを見ると、ステアリングアングルがこれまでの28度から26.6度へ。さらにシートのヒップポイントが10mm下がっているとある。また、シート高さ調整が付いた。
動力系では、エンジンは前モデルの排気量1.0リッター直列3気筒を改良した。驚くことに、燃費値やCO2排出量にしてプレスリリースに表記がない。前モデルで十分に改良が行われており、当然、今回の改良でも若干の向上はしている。そこが新型「AYGO」の商品として「キモ」ではない、ということだ。
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