トヨタ SAI 試乗レポート/藤島知子(3/3)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:原田淳
軽快で扱いやすい操作性と十分な動力性能
さっそく、SAIの16インチ仕様をドライブしてみる。
SAIはレクサスHSと比較して、全長が95mmほど短く、70kgほど車重が軽いが、想像以上の出足の軽快さに驚かされてしまった。
ブラシレスモーターを採用したステアリングは滑らかな操舵感で、街乗り走行のシチュエーションで女性にとっても扱いやすいものに仕上がっている。
重たさや足まわりの硬さをほとんど感じさせないのは、国内専用車という欧米市場を意識しないメリットを生かして設定されたからなのかもしれない。
SAIには、プリウスやHS250hについているパワーモードは設定されていないが、ノーマルモードの加速フィールは、十分な動力性能を引き出してくれる。
高級感を狙って、しっとりと落ち着きのある走りを演出したHSよりも、SAIは街乗りで扱いやすい仕様になっているとの話だったが、ベースグレードの価格差が60万円もあるモデルでありながら、バランスシャフト採用によるエンジン振動の抑制、遮音材を駆使して生まれた静粛性のレベルはHSと比較しても同等レベルのものだった。
また、生産ラインに関してもレクサスHSを扱っている九州工場で組み上げられるとあって、小さな高級車としてプレミアムな品質が息づいているのも、特筆すべきポイントだろう。
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