[試乗]ダイハツ トール&トヨタ ルーミー/タンクは、あの大ヒット軽自動車のノウハウがたっぷりつまっていた(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
使い勝手に優れた生活のアシ
ダイハツ トール・トヨタ ルーミー・タンクが、デビュー早々人気を集めている。後席左右にスライドドアを備えるハイトワゴンで、ダイハツ・トヨタのほかにスバル版もある4兄弟車。コンパクトなボディの中に驚くほどの広い室内空間を与え、乗降性も非常に良い。日常生活のアシに相応しい、実に使い勝手の良いモデルに仕上がった。その開発には、あの大ヒット作の軽自動車のノウハウが大きな影響を与えていたという・・・。日本人の生活と密接に寄り添った大小様々なモデルに精通する自動車評論家、渡辺陽一郎さんが、ダイハツ トール・トヨタ ルーミー・タンクの詳細な試乗レポートをお届けする。
トヨタブランドだけでわずか1か月の間に3万5千台もの受注を獲得
少し前のニュースになるが、ルーミー&タンクの販売が好調だとトヨタ自動車から発表があった。
発売は2016年11月9日で、約1か月後の12月8日には、ルーミーが1万8300台、タンクが1万6700台を受注したという。両姉妹車を合計すると3万5000台。月販目標はルーミーとタンクそれぞれが3750台(合計7500台)だから、約4.7倍の受注になる。
ちなみにルーミーのベースとなったコンパクトカー、トヨタ パッソはカローラ店の専売で、現行型の発売後1か月の受注は1万6500台であった。これに比べると2系列で1万8300台/1万6700台だから控え目ともいえるが、ルーミー&タンクは新規車種だからパッソと違って代替え需要がない。堅調なスタートといえるだろう。
ルーミーとタンク、売れ行きに差が出た理由とは
ルーミーを販売するのはトヨタ店とカローラ店で、店舗数を合計すると約2300拠点だ。タンクはトヨペット店とネッツ店で約2600拠点になる。拠点数はタンクが多いが、受注台数はルーミーが上まわった。
この差はフロントマスクの違いかも知れない。ルーミーの顔立ちはヴェルファイアやアルファードを連想させて存在感が強い。対するタンクはスッキリとスポーティーな印象だ。各車種に標準ボディと上級のカスタムがあり、ルーミーカスタムは大型のメッキグリルを装着して存在感が最も強い。
>>ダイハツ トール&トヨタ ルーミー/タンク フォトギャラリー[画像120枚!]
ルーミー&タンクには、開発と製造を行うダイハツブランドのトール、スバルブランドのジャスティも用意した。トールのフロントマスクは、標準ボディがタンク、カスタムはルーミーと同じ形状になる。ジャスティは逆の組み合わせだ。
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