トヨタ 新型ヴィッツ 試乗レポート/今井優杏(3/3)
- 筆者: 今井 優杏
むしろ男性にもオススメしたい「Jewela」
さて、女性向けモデルと位置付けられている『Jewela』、こちらは1Lのモデルに試乗した。
搭載されたトランスミッションはCVTで全グレード共通で同じだが(RSに設定された5MTを除く)、個人的にはこの1Lのエンジンがとても楽しかった。
もちろん坂道などに差し掛かった時のトルクやパワーは1.3Lに敵わないが、3気筒エンジンという小ささも手伝って、鼻先が異様に軽く、わくわくするような軽快さなのである。
キビキビ感もこちらの方が数段上で、パワーではなく人馬一体感を求める人には、この1Lエンジンモデルで充分なんじゃないかと思う。同じ『Jewela』でも1Lだと1.3Lに比べて10万近く安いし。
ちなみに燃費も23km/L、ね、充分でしょう。
そうそう、この『Jewela』、女性向けということだがかなりマニッシュでピリっとクールなので、むしろ男性にもオススメしたい。
サイドミラーやドアノブやエアコンのクロム装飾なんか、きっと輸入車からの乗り換え男子とかに響くんだろうな、と老婆心ながらに思ってしまった。
今、コンパクトカーセグメントは“競合ひしめく”なんてモンじゃない。まさに生き馬の目を抜くような骨肉の燃費合戦が繰り広げられている。
リッターあたり燃費をコンマいくつ削るか。国内全メーカーが参入する燃費抗争のトリガーに指をかけるのは、原油高や不況の波に翻弄されるユーザーその人だという事実にもちろん間違いはないけれど、こうなってくると顧客の獲得以上に、各メーカーの技術者、ひいては会社の意地や沽券にかけたバトルのような気がしてしまう。
もちろんそれは、実際にステアリングと財布のヒモを握っている我々一般ユーザーにとってはありがたいことだから、むしろそっと影から各メーカーさんの技術開発の行方を陰ながら応援するのがベストだろう。
なにはともあれ、魅力的なラインアップであることは間違いない。世界が最も注目すべきジャンルだからして、購入検討も是非、楽しんで悩んでいただきたい。
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