トヨタ ランドクルーザープラド 試乗レポート/小沢コージ(3/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
本格的性能プラス最新性能
走りに関しては、乗り味を司るフレームが旧型のフレームを補強、及び素材チェンジをして剛性をアップしたモノなので、基本的なテイストは変わらない。7年かけて熟成され、全体の荒々しさがますます抜けた感じだ。
特にフレーム付きボディのクルマに乗ると必ず感じる、ある種のギクシャクは、ボディの軽い2.7リッターエンジン車ではほとんど感じられなくなった。ちょっと大きめの段差を乗り越える時に「プルプルッ」と感じる程度だ。
エンジン別に言うと、今回同じ4リッターV6&5ATの組み合わせながら、馬力が27psもアップしており、同時に燃費が10・15モードでリッター0.4kmも良くなったV6モデルが凄い。発進時から約2.2トンの巨大なボディを軽々と走らせるのはもちろん、アイドリングはエンジン音より空調音の方が気になるほど静か。5ATも新たにマニュアルゲートが付き、ガソリンがハイオク対応からレギュラー対応になっているのも見逃せない。ある意味、時代に合わせたエコな変化だ。
2.7リッター直4の方も163psのパワー、リッター8.8kmの10・15モード燃費はそのままだが、ますますハンドリングが良くなった。特に一般公道でのノーズの軽さはピカイチだろう。乗り心地もほぼ乗用車レベルだ。
一方、悪路走破性の方は、本当の所を試す時間がなかったが、向上しているのは明らか。基本となるフレームが前述したように剛性アップをしつつ、新たにキネティックダイナミックサスペンションシステム(KDSS)と、マルチテレインセレクト(MTS)を装備。KDSSの方は、電子式の油圧システムによりサスペンションの前後スタビライザーを制御するもので、オンロードではロールを抑え、オフロードではサスペンションストロークを増す。
MTSの方は、既に同種のモノが導入されているランドローバー同様、悪路走破時に作動するトラクションコントロール空転量やABSの効き具合を4つの路面モード別に最適制御するという具合だ。
元々、他にはない本格的オフロード性能を持っている上に、最新式の電子デバイスを加えたという感じである。これを凌駕するのはこれまたランクル200系しかないだろう。
この記事にコメントする