トヨタ カローラフィールダー 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
トヨタ カローラフィールダー 試乗レポート
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基本だからこその使いやすさを持ったコンパクトワゴン

カローラのワゴン版、カローラフィールーダーの系譜を辿るとなると、どこからになるのだろう…。やはりカローラが誕生した翌年、1967年のカローラバンに遡るのがいいのだろうか…、と悩んでしまうほど、カローラには兄弟車種と言おうか、派生車種が多いのである。なんたって40年の歴史があるわけだから当たり前だが、現在のフィールダーに直接つながるのは、カロゴンと呼ばれたカローラワゴンくらいなのかもしれない。もっとも、カローラフィールダーという現在の名称で呼ばれるようになったのは、先代、10代目のNCVカローラと呼ばれるようになった車種からだ。

さて、カローラフィールダーをひと言でどんなクルマか説明すると、5ナンバーサイズのベーシックなコンパクトワゴンとなる。それは実際その通りで、いわゆるリッターカーベースのコンパクトカーよりちょっと上質で、ちょっと広くて、基本に忠実で使いやすいワゴンというワケだ。基本だからこその使いやすさがこのクルマの身上といったところである。

豊富な収納類でわかるワゴンとしてのユーティリティ性

基本中の基本のようなクルマであるために、大冒険はしていないような感じはするが、若年齢層への移行を意識したのか、精悍で凛とした顔つきになっている。インテリアも然りで、例えばドアのノブはユニークなカタチをしたシルバー加飾のものを採用するなど、目に付くところの主張が伺える。ただ若者向けにするならば、もう少し思い切ってインパネやドアトリム部の質感などは、冒険したほうがよかったような気もする。

使い勝手の面では、さすがと頷けるところが多い。例えばポケッテリアの豊富さは唸らされるところだ。数も多いし、ひとつひとつの広さもなかなかにたっぷり取られている。ユーティリティ性能が問われるワゴンとしては、かなり合格だ。そして、そのポケッテリアが欲しいところに設けられているのもイイ。例えば、センタークラスター脇、膝の横付近に設けられている小型ポケットは、携帯電話を入れるのにちょうどイイのである。いまや誰もが携帯電話を持つ時代であるからして、このような至れり尽くせりの配慮はかなり高ポイントだ。

素直で扱いやすい1.5Lエンジンと元気のよい1.8Lエンジン

今回試乗したのは、1.5Lと1.8Lのエアロツアラー。ベーシックな1.5Lモデルのほうは、熟練されたモデルといった感がある。洗練を重ねたエンジンにCVTの組み合わせは、パワーの出方も素直。ハンドリングも安定していて普通に扱いやすいといった感じだ。

1.8Lエアロツアラーのほうは、パワフルなニューエンジンにCVTの組み合わせとなる。なかなか元気のいいエンジンで、高速クルージングなども快適だ。ハンドリングも高速での安定感もバッチリ、またパフォーマンスダンパーと呼ばれるいわゆるスポーツサスペンションが装着されているので、ワインディングなどでもよく曲がってくれる足に仕上がっている。それでいて、乗り心地も納得できるレベルに両立が図られているのはさすがといったところだ。

ただし残念なのは、両者ともに微振動をやや感じるのと、やや入ってくる音が大きいこと。ロードノイズはともかく、CVTなので巡航領域に入ってしまうまでは少々唸り声が気になるかもしれない。ただし、100km/hで7速にシフトアップされてしまえば回転数も2250rpmと低めなので、クルージング性能としては問題ナシだ。

毎日の使い勝手への心配りが伝わってくる一台

フィールダーとなるとワゴンとしての使い勝手も気になるところだが、こちらは世界初の新しい性能が盛り込まれている。後席がラゲッジ側のレバーひとつでダブルフォールディングで畳まれるのだ。ラゲッジ側に装着されているので、荷物を抱えたままでもアレンジできるのがイイところ。6:4分割可倒式シートに合わせて二つレバーがついているので、フレキシブルにアレンジが可能だ。

レバーを引くと座面が、続いて背もたれが倒れる仕組み。ちなみにハッチゲートの操作力も軽いので、女性でもラクラク使いやすいのも嬉しいところだ。そしてもうひとつ女性に嬉しい装備としては、インテリジェントパーキングアシストがある。これは簡単に言ってしまえば自動車庫入れ&縦列駐車装置だ。最初プリウスで登場した装備だが、ブラッシュアップされて、設定の手順がかなりラクになった。精度的にもレクサス LSに搭載されているものと同等レベルに仕上がっているので、車庫入れや縦列駐車が苦手という人には、是非オススメしたい装備のひとつである。

基本中の基本カローラのワゴンだけあって、いたるところに配された毎日の使い勝手への心配りが伝わってくる1台だった。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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