【試乗】トヨタ 新型 プロボックス・サクシード[2014年ビッグ・マイチェンモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(5/5)

【試乗】トヨタ 新型 プロボックス・サクシード[2014年ビッグ・マイチェンモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎
トヨタ 新型 プロボックス バン・サクシード バン 試乗レポート/渡辺陽一郎 1 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 2 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 3 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 4 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 5 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 6 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 7 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 8 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 9 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 10 トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 11 画像ギャラリーはこちら

ATやプラットフォームも一新し、もはやフルモデルチェンジの域

(左手前)トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]/ (右奥)旧型 トヨタ プロボックス バントヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 4

燃費性能の向上を目的にエンジンとATを刷新した関係で、マイナーチェンジとしては異例となる、プラットフォームの前側と中央部を造り替える大改造を受けた。いっぽうで後部プラットフォームは荷室を維持するため(変える必要がないため)に継承している。そのため、見た目にはフロント周りのデザイン以外に大きな変化はないように思えるが、中身はもはやフルモデルチェンジ規模の改変を行っているのである。トヨタとしては、ボディのウワモノ自体を大きく変更はしていないので、フルモデルチェンジとは呼ばないそうだ。

前側と中央のプラットフォームはヴィッツなどと共通。フロントスタビライザーのサイズを拡大してショックアブソーバーの減衰力とブッシュの硬度を下げたから、前輪側の足まわりの動きはしなやかになった。その分だけ荷物を積んでいない状態では後輪側の突っ張り感が目立つが、荷室に100kgのウエイトを積んで走ってみると気にならない。このあたりは貨物の積載を前提としたバンモデルらしいセッティングを感じさせる。

横滑り防止装置も加わり、満足出来る水準に仕上がった

トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 5トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]

足まわりの設定とタイヤは1.3/1.5リッターともに共通。試乗車が装着していたタイヤは14インチ(155/80R14)で、銘柄はトーヨーH11であった。指定空気圧は前後輪ともに220kPaなので、極端に高くはない。

パワーステアリングは油圧式から電動式になった。反力が若干乏しいが、不自然ではない。ハンドルをいっぱいに回したロック・トゥ・ロックは3.4回転。従来型と同等だが、同じプラットフォームを使うヴィッツなどは約3回転なので、10%少々はスローだ。開発者は「積載時にレーンチェンジなどを行った時、車両の挙動が不安定になるのを防ぐためにスローな設定とした」と言う。

サスペンションも後輪の接地性を重視したタイプ。積極的に走れば旋回軌跡を拡大させやすいが、可能な範囲で走行安定性を高めた。新たに横滑り防止装置のVSCも標準装着され、商用車のハンドリングとしてはバランスが良い。荷物を積まない状態で走った時の後輪側の硬さは少し気になったが、総じて走行性能は満足できる水準に達している。

まさに「働く人を元気にするクルマ」

トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF] インテリアトヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF] インテリア

1.3リッターと1.5リッターエンジンの価格差は、プロボックスのGL同士で比較すると11万9782円。「100cc当たり2万円」の相場に照らし合わせると割高だが、登坂路の多い地域では1.5リッターを選ぶ価値もあるだろう。さらに燃費性能も1.5リッターが勝る。一方、静粛性などは1.3リッターが魅力だ。なお4WDモデルはプロボックス/サクシードともに1.5リッターのみの設定となる。このあたりはニーズに応じて選びたい。

オプション装備も充実して、ルームミラー内蔵型のバックモニターも装着できる。もっとも、デザイン性を重視したイマドキの乗用車と比べると、機能性第一でデザインされたプロボックス/サクシードの視界は抜群に良い。ボンネットが視野に入り、前後左右ともにウインドーの下端が低めだし、側面の窓も四角く垂直に近い。縦列駐車や車庫入れも容易だ。最小回転半径も4.9mでヴィッツと同程度。ホイールベースが2550mmであれば満足できる。

この優れた視界と取りまわし性は、乗用車も見習うべきだろう。バックモニターなどに頼らず、直接ドライバーの視覚で周囲を確認できることが安全運転の第一歩になるからだ。

インパネなどの内装も同様だと思う。見栄えの良さも大切だが、使い込んで良し悪しが分かるのは機能にほかならない。

トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]

プロボックス/サクシードのカタログの表紙には「働く人を元気にするクルマ」と書かれている。確かにその通りだと思った。乗用車はここまで機能一点張りにはしにくいだろうが、コスト低減の進むコンパクトカーなど、もう少し良心的な設計にして欲しい。たとえ休日にしか乗らないクルマでも、気分をリフレッシュさせて、元気に働くためのクルマになるからだ。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正]

トヨタ 新型 プロボックス バン「1.5 GL」[FF] 主要諸元

トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]

全長x全幅x全高:4245x1690x1525mm/ホイールベース:2550mm/乗車定員:2/5名/車両重量:1090kg/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:直列4気筒 DOHC「1NZ-FE」型 VVT-i ガソリンエンジン/総排気量:1496cc/最高出力:109ps(80kW)/6000rpm/最大トルク:13.9kg-m(136N・m)/4800rpm/トランスミッション:自動無段変速機(CVT)/燃料消費率:18.2km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:155/80R14 88/86N LTタイヤ/メーカー希望小売価格:1,545,382円[消費税込]

※画像をクリックするとフォトギャラリーページをチェックできます。

トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]
トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック](左)トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック]トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 9トヨタ 新型 プロボックス バン GL[FF・ボディカラー:シルバーマイカメタリック] 試乗レポート/渡辺陽一郎 3
前へ 1 2 3 4 5

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ プロボックスバンの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ プロボックスバンのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ プロボックスバンの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ プロボックスバンの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ プロボックスバンのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる