【試乗】トヨタ 新型 プロボックス・サクシード[2014年ビッグ・マイチェンモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
「ビジネスマンの仕事場」運転席シートの座り心地も向上
プロボックス/サクシードの運転席シートはマイナーチェンジで刷新され、座り心地が向上した。従来型に比べてサポート性が良くなり、座面が適度に沈んで座り心地も柔軟だ。背もたれは腰の近辺をしっかりと支え、長距離移動でも疲れにくいだろう。プロボックス/サクシードの車内は「仕事場」で、長時間にわたり滞在するからシートは重要。運転席の上下リフターの調節幅も広がり、体格に合わせやすくなった。
後席はグレードによって造りが異なる。大半のグレードは着座位置が低く、腰が大きく落ち込む。座面は水平に近い角度で柔軟性も乏しく、補助席という印象だ。背もたれを倒しただけでフラットな荷室にアレンジできるようにするため、シートとしての造りは簡素になった。
最上級グレードにはリアシートを上質にしたグレードも
一方、最上級に位置するプロボックス「1.5F」とサクシード「1.5TX」は、後席座面の柔軟性が増す。後席の畳み方はダブルフォールディング式で、座面を持ち上げてから背もたれを前に倒すタイプ。そのために座面の位置が高く、前述のベーシックなグレードほど腰は落ち込まない。畳んだ時に座面を取りはずせば、荷室長も狭まらないし、その状態なら運転席をリクライニングさせることも出来る。
このタイプなら4名で乗車してワゴンのように使えるが、商用車だから後席のスペースよりも荷室を広く確保する必要がある。なので足元空間は狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ少々。前席の下に足が収まるからさほど窮屈ではないが、後席の居住性はコンパクトカーの平均水準を下まわる。基本的には2名乗車向けのクルマだ。
なお以前は存在したプロボックス/サクシードの5ナンバーワゴンモデルだが、こちらはマイナーチェンジを待たずおよそ1年前に廃止されている。
荷室の造りは基本的に従来型と同じだが、タイヤの収まるスペースの張り出しが抑えられ、スッキリと広い。リアゲートの開口部も十分に確保される。
[1.5リッターと1.3リッターの違いは!? 次ページへ続く]
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