グッドイヤーの新型E-Gripシリーズ2種類を乗り比べ!タイヤが愛車にさらなる快適性と高級感を与える

乗り心地を追求した「コンフォート」ブランドから新モデルが登場

グッドイヤーの低燃費ブランドタイヤ「EfficientGrip」(エフィシェントグリップ=以下「E-Grip」)シリーズのラインアップに加わった2つの新製品、「EfficientGrip Comfort」(以下「E-Gripコンフォート」)および「EfficientGrip Performance SUV」(以下「E-GripパフォーマンスSUV」)を、2018年2月の発売に先立ち、茨城県の日本自動車研究所のテストコースで試すことができた。

新型E-Gripコンフォートとは

世の中の環境に対する意識の高まりを受けて登場した「E-Grip」は、グッドイヤーのコンフォートタイヤブランドだ。

そこに新たに仲間入りした「E-Gripコンフォート」は、グッドイヤーの走りの象徴である「EAGLE」ブランドから移行し、よりコンフォート性能を重視したタイヤへと生まれ変わった。「喧騒を置き去りにしよう」というキャッチコピーのとおり、高い静粛性と快適な乗り心地とシャープなハンドリングを高次元でバランスさせている。

実質的な前身である「EAGLE LX EXE」と比べて、パターンノイズ28%低減、通過騒音1.0db低減、転がり抵抗15%低減、ヨーレート19%改善、ラテラルハイドロ3%向上、ロングライフ3%向上と、多くの要素が引き上げられている。乗り心地に直結する縦バネは6%低く設定された。

新型E-GripパフォーマンスSUVとは

同じく2月に追加される新製品の「E-GripパフォーマンスSUV」は、既存の「HP01」の上位モデルにあたり、ラグジュアリーSUVをターゲットとしている。上位モデルにふさわしく静粛性、ウェット、ハンドリングを高次元で両立しており、今後も販売伸長の見込まれるSUV市場において、ますます大径化ニーズが進むトレンドもふまえて開発されたものだ。

こちらも「HP01」比で、パターンノイズ9%低減、ドライブレーキ9%向上、ウェットブレーキ15%向上、ヨーレート14%改善と、いずれも大幅に向上している。

E-Gripコンフォートは静粛性が高く安定感のある使用感

それぞれ既存商品と乗り比べたところ、違いは小さくなかった。E-Gripコンフォートは、イーグルLSエグゼと比較。テスト車両は高級スポーティセダンのトヨタ マークXだ。

まずは、“N路”と呼ぶ、通常の路面・すりへった古い路面・骨材が露出した路面という、3種類の路面を走行して騒音をチェックした。

音の聞こえ方が思ったよりも違って、E-Gripコンフォートのほうが全体的に静か。テスト日は雨が強かったため音の違いはよくわからないのではと思っていたのだが、意外と違った。スプラッシュ系の音もだいぶ小さい。ロードノイズの違いは、荒れた路面のほうがより明確になったと感じる。縦バネの低下も効いて路面への当たりがマイルドなので、乗り心地も快適だ。

さらにスラロームとダブルレーンチェンジを試したところ、ステアリング操作に対する反応は心なしかイーグルのほうが一体感がある。イーグルもこれはこれでまとまりがよく、トレッドパターンを見てもスポーティな印象を受けるとおりで、乗り味もダンピングが効いていてひきしまっている。ただし、やや微振動を感じる。

対するE-Gripコンフォートは、入力初期が穏やかなのに奥でグッと曲がるような味付け。普通にドライブしているときの安定性は高いが、大きく切り込んだときのレスポンスは高い。ヨーレートを改善・下げたことが、効果として表れていて、命題であるノイズ低減にともない、あえて走りの性格もそれに相応しい味付けとしたことがうかがえる。

E-GripパフォーマンスSUVはしなやかな高級感が特徴

続いて高級SUVのレクサス RX450hで、E-GripパフォーマンスSUVとHP01を乗り比べた。

N路からスラロームまではE-Gripコンフォートと同じで、最後に“V路”と呼ぶ、ハーシュネスを確かめる突起や、段差の異なる波を設定したコースを走行した。するとこれまた違いは明らかで、より高級な走りを感じることが出来た。

E-GripパフォーマンスSUVは音や振動の小ささが印象的で、雨のため音の違いがわかりにくい中でも、タイヤと路面の接触部の振動が車体に伝わって発生するロードノイズの違いは感じられた。また、HP01では路面の細かい凹凸を拾うため、ややビリビリ感があるのに対し、E-GripパフォーマンスSUVはしなやかで高級感がある。

ドライバビリティ面での違いも見逃せない。印象としては、クルマの重心が下がったような感覚があって、コーナリングでのロールが減り、レーンチェンジ後の揺り戻しの収束も早い。E-GripパフォーマンスSUVは全体的に挙動が乱れにくくなっている。これは一般的にはタイヤを硬くしないと出せない味なのだが、むしろ路面への当たりはマイルドになっていることに驚く。突起を乗り越えたときの衝撃音もマイルドになっている。

音についても、あたかもイコライザーで低音域をカットしたような静かさを感じる。レクサス RXのように遮音性の優れたクルマでは大差ないのではと思ったが、そんなことはなかった。乗り心地がよく静かで高級感があり、レクサス RXのようなプレミアムSUVとの相性も上々だ。

フルブレーキ時の制動性能を3モデルで比較すると・・・!

さらに、今回の「E-Gripコンフォート」、上級モデルの「E-Gripパフォーマンス」と「E-GripエコEG01」を装着したトヨタ プリウスPHVと、「E-GripパフォーマンスSUV」を装着したボルボ XC60で、ダブルレーンチェンジやフルブレーキングなどを実施しウェット性能の違いを試したところ、これも実にわかりやすかった。

コースは、60km/hでシケインを通過したあと低ミュー路(μ=0.3)が待っていて、速度を落としてダブルレーンチェンジを2回、再び60km/hまで加速してダブルレーンチェンジ、Uターンして60km/hから低ミュー路(μ=0.45)でフルブレーキングするというレイアウト。

むろん本来はドライを想定していた部分も含め、天候の影響を受け全面ウェットとなったわけだが、同じように走らせてみたところ、普通の舗装路面では3種類の差は小さいが、低ミュー路ではそれなりに違いがあった。

具体的には、E-GripエコEG01では20km/h半ばあたりから滑り出すのに対し、今回登場のE-Gripコンフォートでは、30km/h近くまで大丈夫。

さらにE-Gripパフォーマンスになると、走り出しから前出の2モデルとは印象がだいぶ違って、操舵に対する応答遅れが小さく、よく舵が効き、剛性感もあり、舗装路でのハンドリングは別物で、低ミュー路でも35km/h程度まで大丈夫だ。

そしてフルブレーキングでは、それぞれ約50m(E-Gripパフォーマンス)、約32m(E-Gripコンフォート)、約27m(E-GripエコEG01)と、予想外の差が出た。

E-Gripパフォーマンスが跳びぬけてよかったわけだが、そのSUV版といえる今回登場E-GripパフォーマンスSUVを装着したXC60でも同じコースを走行したところ、1.9トン近く車両重量のあるクルマとは思えないほどの走りっぷりに感心しきり。

雨足が強く滑りやすい中で振り回してもESCが介入しにくく、フルブレーキングも約30mで止まってしまった。それだけグリップが高いのでESCの介入が遅く、排水性がよいのでしっかりABSがかかるということの表れ。おかげで雨の中でも安心して走れる。

このようにグッドイヤーが送り出したE-Gripシリーズの2製品の印象は、いずれも上々であった。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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