発売前から話題独占のワゴンHV!プリウスワゴンとフィットシャトル/大谷達也(1/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
人気モデルのプリウス/フィットが挙ってワゴンモデル投入!
いま、日本でいちばんよく売れているクルマは何か、ご存知だろうか?
それは、トヨタ・プリウスとホンダ・フィットだ。この2車種が毎月、首位の座を入れ替えながら激しい販売合戦を繰り広げている。
たとえば、今年1月にフィットが1万4873台を売ってトップに立つと、2月はプリウスが1万9110台で首位奪還。かと思えば、3月はフィットが2万2284台を売ってトップに返り咲くといった具合なのだ。
実は、2台による首位争いは、3代目プリウスがデビューした2009年5月以来、23ヶ月間にわたって繰り広げられており、この間、販売台数で2台の牙城を切り崩したモデルはない。いわば、トヨタとホンダが互いの意地とプライドを賭けて挑んでいるのが、2台のセールス合戦といえるだろう。
ところで、このトヨタとホンダによる因縁の対決、本来であればすでに戦いの第2幕が始まっているはずだった。というのも、トヨタはプリウスに、ホンダはフィットにワゴン・ボディを追加し、さらなる販売増を目論んでいたからだ。
けれども、先の大震災の影響で発売は延期、両社の新たな戦いもしばらくお預けとなってしまった。そこで、気になっている人も多いと思われる2台のニューモデルを分析し、それぞれの特徴を解き明かしていくことにしよう。
ホンダは、フィットのワゴン版、フィットシャトルを去る3月17日に発表する予定だった。
いっぽう、トヨタは4月末の投入を計画していたプリウスワゴン(プリウスα)のコンセプトモデル「プリウス・スペース・コンセプト」の名で報道陣に公開している。
フィットシャトルはガソリンエンジンとハイブリッドの2本立て、プリウスワゴンはハイブリッド専用モデルという違いはあるものの、比較的コンパクトで燃費のいい人気モデルをワゴン仕立てにするというコンセプトはよく似ている。
なかでも、フィットシャトルのハイブリッド版であれば、プリウスワゴンの直接のライバルと見てもおかしくない。
いっぽうで、同じハイブリッド同士で比べても、プリウスワゴンとフィットシャトルの間には少なくない数の相違点がある。
まず、エンジンの排気量を比べると、プリウスの1.8リッターに対してフィットは1.3リッターと、ほとんど2クラス分の開きがある。
これに組み合わされるモーターの最高出力と最大トルクは、プリウスが82ps/207Nmでフィットが14ps/78Nmと、ここにも格段の違いがある。たしかにプリウスはフィットよりひと回り大きなクルマだから、エンジン排気量でプリウスがフィットを上回っている点はうなずける。
この記事にコメントする