アクア vs プリウス どっちがお買い得!?徹底比較!(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
【アクア vs プリウス 取り回し性対決】コンパクトカーの強みを存分に発揮できるアクア
狭い裏道や駐車場における取りまわし性は、コンパクトボディのアクアが有利となる。
プリウスは3ナンバー車のうえに斜め後方の視界が悪く、縦列駐車や車庫入れで気を使う。プリウスのバックの感覚は、ミドルサイズを超えてLサイズに近いものがある。
その点、アクアは運転しやすい。最小回転半径は、アクア Sなどに標準装着される15インチタイヤであれば「4.8m」。プリウス Sの「5.2m」と差を付けて、アクアは小回りの利きも優れている。
ただし、「アクア ツーリングパッケージ」については要注意して欲しい。16インチタイヤと専用サスペンションの装着で走行安定性は向上。乗り心地も少し重厚になるが、最小回転半径は「5.7m」にまで拡大してしまう。
プリウス Sツーリングセレクションですら「5.5m」だから、「アクア ツーリングパッケージ」は小回り性能が極端に悪化し、コンパクトボディのメリットを半減させてしまっている。これは、今後の改善が必要だろう。
今のところだが、アクアは標準仕様のタイヤと足まわりを選びたい。
【アクア vs プリウス 価格と結論】価格はアクアが安いが、装備の違いや値引きを考慮すると?
冒頭で触れたとおり、アクア Sの価格は「179万円」。プリウス Sは「232万円」と53万円もの差がある。
しかし、プリウス Sにはアクアがオプション設定となっている「サイド&カーテンエアバッグ」「スマートエントリー&スタート」「CDオーディオ」が備わり、「ディスチャージヘッドランプ」なども標準装着される。
これらの装備の違いを価格に換算すれば、おおむね26万円前後。つまり、アクア Sにプリウス Sと同等の装備を加えれば、車両価格は205万円くらいに達するわけだ。そして、実質的な価格差は「約27万円」にまで縮まる。
さらに、アクアは契約から納車までに半年も待たされる人気車だから、今のところ値引き額は5万円程度と少ない。だが、プリウスは登場後3年以上を経て15万円前後まで拡大した。値引きの違いも考慮すれば、両車の実質差額は「20万円」を下まわる。 一方、燃料代の差額は、(前述のように)年額にして1~2万円。とすれば、一般的にはプリウスの方が買い得と判断できる。
注意したいのは、ハイブリッドを含めた高機能を踏まえれば、アクアも決して割高ではないということ。プリウスがそれを超越するほど安いのだ。
従って、買い得なハイブリッド車を選びたいならプリウスを推奨する。
前後席ともに居住性に優れ、ファミリー層を含めて幅広いユーザーに適している。マイナーチェンジを経て商品力も高まり、まさに買い時となったプリウス。買い得グレードは「S」だが、走行安定性と重厚な乗り心地を求めるなら、「Sツーリングセレクション」も検討したい。
さらに上級の「G」を選び、14.7万円を加えて「プリクラッシュセーフティシステム」と「レーダークルーズコントロール」をオプション装着する手もある。車間距離を自動制御するクルーズコントロールで、高速道路の移動も快適。衝突不可避の時は、自動的にブレーキを働かせて被害を軽減することも可能だ。
対するアクアは、コンパクトボディに基づく優れた取りまわし性が持ち味。
市街地の移動では「小さくて運転がしやすいこと」も大切な価値になる。
背の低いスマートなボディ、低重心が生み出した軽快な運転感覚などは、クルマ好きのユーザーにも受けるだろう。リアシートが狭いのでファミリー向けではないが、クーペ的に使える楽しさはプリウスとは違う魅力だ。
そしてガソリンを燃焼して走るクルマとして、「世界で一番燃費の優れた究極のエコカー」というプライドを持てることも大きい。究極のスポーツカーとか究極のオフロードSUVは、日常的にその性能を発揮できないが、エコカーであればメリットになる。
燃費性能の優れた実用車でありながら、それを超えた満足感を得られるところにアクアの本当の魅力が存在している。
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