由良拓也/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:今井優杏
由良さんの愛車はもちろん!数々のエアロパーツを纏ったあのハイブリッドカー!
今回のゲストはレーシングカーデザイナーであり、レーシングカーコンストラクター・ムーンクラフト代表の由良拓也さん!
数々のレーシングカー制作を手掛け、またそのレーシングカーが多くの実績を残してることはあまりにも有名です。日本のレース界を大きく変えたおひとりであることは間違いないでしょう。
現在はカーデザインやインダストリアルデザインの他にレース解説もされ、御自身もレース参戦をされるなど、多彩に活動を行っていらっしゃいます。
そんな由良さんの愛車はプリウス!
ご自身開発のエアロパーツが満載の、その名も『AERO PRIUS YURASTYLE neo』。ご存知の方も多いかと思いますが、このプリウス、無給油で1600km走行を達成しているんです!
―どうしてプリウスを選ばれたんですか?
今乗ってるのは30型(現行型)のプリウスなんですが、その前の20型から始まったんですよ。フォーミュラニッポンの監督をしていたときに(2007年・INGING・カローラ山口が母体のレーシングチーム。当時ロニー・クインタレッリと横溝直輝がドライバーだった)カローラ山口さんから20型プリウスを貸与していただいたんです。
―では最初はご自分から進んで選ばれたんじゃないんですね。
最初はプリウスなんていう低燃費車は自分の興味のベクトルの中に入ってこなかったんです。鈍臭いというか、走りもパッとしない、というようなイメージがあってね。でも乗り出してから、燃費チャレンジをしているプリウスオーナーたちと知り合うようになって、その人たちが出してる燃費と自分の燃費とのギャップがあまりに大きいことに愕然としたんですよ。
どうやったらこのクルマで30km/lを超えるような数字が出せるんだろう、と思って色々やってたら、その作業はサーキットでラップタイムを詰めて行く作業となんら変わりがないわけです。
―そこでハマりはじめたと。
プリウスはドライビングスキルで燃費が変わるんですよね。今、クルマがどんどんハイテク化していく中で、ドライビングスキルでクルマの性能が変わるって言うのは、ある意味で時代に反しているわけでしょう?
誰が乗っても燃費がいいクルマじゃなきゃいけないはずなのに、実はプリウスって練習すればするだけ燃費が良くなるクルマなんですよ。『なんだこれ?』っていうことで、その辺からこのクルマが面白くなってきたんですよね。
―そこでオリジナルパーツの開発をされるわけですね。
基本的にレースをずっとやってきた人間からしたら、道具を良くしていくっていうのは基本なわけですよ。でもプリウスに関しては、実際問題としては後から付けるパーツに大した効果はないんです。もともとトヨタが威信をかけて作った最高峰のエアロダイナミクスなんですよね。このクルマは研究すればするほどすごいな、と思える。
―では今付いているパーツというのはどういう狙いなんですか?
メーカーが触りにくい部分ってあるでしょう?例えばメンテナンス性が落ちる、とか、量産が難しい、とかいう、そういうところをチューニングしてあげて、空気抵抗を減らす、ということでは腕のないところを道具でカバーする。まず空気抵抗を減らすグッズとして風洞実験をしながら開発をしました。うちの風洞は模型の風洞なので、模型を色々作って数値を出して行ったんです。
この記事にコメントする