THE NEXTALK ~次の世界へ~ トヨタ ハイブリッドカー開発責任者・小木曽聡インタビュー(3/5)

THE NEXTALK ~次の世界へ~ トヨタ ハイブリッドカー開発責任者・小木曽聡インタビュー
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ハイブリッドカーは、いつスタンダード化する?

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初代プリウスの発売から14年で、世界におけるハイブリッドカーの累計販売台数が、トヨタ一社で300万台を超えたのは、他を圧倒する実績である。ちなみに、ホンダのハイブリッドカーの累計販売台数は、2009年時点で30万台と、一桁ほど違う。

だが、世界の乗用車保有台数7億台に比べれば、ハイブリッドカーの数はまだ微々たるものと言わざるを得ない。

【小木曽聡】:正直に言って、全面普及させるためにはまだハイブリッドカーのコストは高いと言えるでしょう。初代プリウスに比べ、今ではビックリするくらいコストは下がっています。それでも、エンジン車と比較すればまだ高いのは事実です。トヨタ車同士では、なかなか直接比較できる車種がありませんが、概算で、エンジン車と約40万円の価格差があるのではないでしょうか。

ハイブリッドカーが乗用車のスタンダードになるような取り組みは、この18年間、私が続けてきた仕事です。ある時点がくれば、エンジン車とハイブリッドカーとの台数が逆転するということが起こると思います。たとえば3代目プリウスでは、同じセグメントの中でそれを起こすことが日本国内ではできたと思います。

2010年に年間の販売台数の記録を更新することができました。 それを、すべての車種で、すべての販売地域で、同じようにできるのか?というと、これからです。プリウスは、ハイブリッドのパワートレーンだけではなく、クルマ全体の性能で燃費を上げているので、同じ燃費性能をカローラでできるかというと、道半ばですね。ただ、着実に近づいているとは思います。

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日本自動車販売協会連合会が2011年1月に発表した統計によれば、2010年のプリウス販売台数は31万5000台を超え、これは軽自動車を含め国内における新車販売台数で銘柄別の1位となり、カローラが1990年に打ち立てた30万8000台を上回る記録更新となった。

カローラのような価格競争の厳しい小型車でのハイブリッドスタンダード化は道半ばでも、より大型のクラウンなどは新車価格も高く、コスト高の分を販売価格に飲み込ませ、ハイブリッドカーのスタンダード化は可能ではないのか?

【小木曽聡】:たしかに高付加価値の車種についてはそういう見方もできるでしょう。ところが、上級車種になると、大きな車体をよりパワフルに走らせなければならないため、パワーエレキのコストが、必要とされる出力や容量の上昇にあわせ、そのまま高くなっていくのです。

一方、エンジンなど機械部品は、出力や容量の上昇分に比べ、それほどコストは上がっていきません。たとえば、バッテリーは必要な容量を満たすため追加されるセル(一組のプラスとマイナスがあるバッテリーの最小単位:筆者注)の数がそのままコストを引き上げます。

あるいは制御に関わるインバータは、使われる素子の電気を流せる容量が決まっているので、必要な分を並列にするとか、大きなウエハを作るのに製造の手間が掛かります。また、ハイパワーである分、冷却もより大掛かりになります。それらに比べ、エンジンの方は、直噴にしたり、ダウンサイジングと過給を組み合わせたり、多段トランスミッションを用いたりしても、ハイブリッドに比べればコストを抑えられるのです。

とは言いながら、パワーエレキ部品は、技術革新の可能性が機械部品より大きいですから、今後、確実にコストを下げていくことはできると思います。日米欧地域では、10年後にはハイブリッドカーとエンジン車の比率が半々になるようにしたいというのが、私の個人的な思いです。

トヨタの公式コメントとしては、2010年代の出来るだけ早い時期に年間100万台販売の達成を目指す(2008年環境フォーラム:筆者注)と言っているはずです。乗用車と違って、商用車は価格が大きな要素です。また、モータリゼーションの拡大期にある中国やインドなどアジア市場も、価格競争の中にあります。

これらの領域では、燃料消費を半減するといった高い燃費性能より、コストがまず優先されます。しかしながら、今後10年くらいでエネルギーの需給関係が厳しさを増すでしょう。クルマの台数も増えていきます。そこで、この先10年間フルスイングして頑張って、次世代環境車が半分を占めるようになれば、お客様も自由にハイブリッドカーを選べるようになると私は思っているのです。

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御堀 直嗣
筆者御堀 直嗣

1955年東京出身。自動車ジャーナリスト。玉川大学工学部機械工学科卒業。1978年から1981年にかけてFL500、FJ1600へのレース参戦経験を持つ。現在ではウェブサイトや雑誌を中心に自動車関連の記事を寄稿中。特に技術面のわかりやすい解説には定評がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。また現在では電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副会長を務める。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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