2010年11月度新車販売ランキング/松下宏(1/2)

2010年11月度新車販売ランキング/松下宏
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エコカー補助金の終了に伴う影響を受けた11月

2010年11月の新車登録台数は203,246台で、前年に比べると30.7%と大幅な落ち込みを示した。これは過去10年で見ても最低の販売台数で、リーマンショックの影響で大きく落ち込んだ2009年11月よりも少ない。

一方、軽自動車の販売台数は120,354台で前年に比べると15.9%の減少にとどまった。登録車に比べ、軽自動車は補助金の額が少なかった分だけ落ち込みがやや小幅で済んだものの、過去10年では最低の台数であることは軽自動車も変わらない。

補助金終了間際の8~9月に、駆け込み需要の青田刈りをやりすぎたためといっても良いだろう。

なお、輸入車は補助金の恩恵をあまり受けられなかったこともあって、11月の登録台数は13,088台で6.4%の増加となった。

累計では伸びを維持

前年比を1-11月の累計でみると、登録車は14.2%の増加、軽自動車は3.3%の増加、輸入車は15.3%の増加になっているが、前年の数値が低いだけにこの程度の伸びで喜んではいられない。

1~11月の累計といえば、軽自動車のタントとワゴンRが大接戦を繰り広げている。累計台数はタントが180,716台でワゴンRが180,177台だからその差はたったの539台。12月の1ヶ月で逆転することが十分に可能な数値だ。

軽自動車の合計台数では35,000台ほど差をつけて首位が確定しているダイハツが、タントで銘柄車種別の首位も奪取するか、あるいはスズキがワゴンRの7年連続で首位の座を守るかが注目される。

1位~10位:プリウスの独走が未だ続く

※()内は販売台数

1位:プリウス(21,400台)/2位:フィット(16,677台)

3位:タント(13,217台)/4位:ワゴンR(12,881台)

5位:ムーヴ(7,631台)/6位:ヴィッツ(6,813台)

7位:フリード(6,435台)/8位:アルト(6,077台)

9位:カローラ(5,763台)/10位:ヴェルファイア(5,382台)

銘柄別の販売台数では、「プリウス」だけが2万台を超えて首位を独走している。

トヨタの全ディーラーで販売しているということも台数が売れている大きな理由だが、それにしても他車種の売れ行きが伸びない中でも、プリウスだけは良く売れている。

ホンダ フィットハイブリッド

2位は「フィット」で変わらず。低価格のハイブリッド車「フィットハイブリッド」を追加し、それが高い比率を占めているが上乗せとはいかず、フィットの販売台数の一部がハイブリッドに置き換わった形だ。

3位・4位には「タント」と「ワゴンR」が続いた。11月だけで336台の差をつけているから、前述の539台の差の6割ほどは11月だけで作ったもの。軽自動車の月別の首位はタントとワゴンRが奪い合っている。

5位は「ムーヴ」、6位は「ヴィッツ」。ムーヴは12/13にフルモデルチェンジされ、ヴィッツもフルモデルチェンジ直前であり、このような時期にもしっかりと販売台数を確保しているのは、クルマそのものの販売力の強さを示すものといっていい。

7位に「フリード」、8位は「アルト」、9位には「カローラ」が続いた。

トヨタ ヴェルファイア

なお、10位には高級ミニバンである「ヴェルファイア」が入った。軽自動車とコンパクトカー(プリウス含む)以外でトップ10に入ったのはヴェルファイアだけで、これは相当好調な売れ行きである。

ちなみに、8月にフルモデルチェンジを受けた「エルグランド」が37位なのだから、ヴェルファイアがいかに売れているかが分かる。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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