金子浩久VS小沢コージの2009年上半期ベスト・バイ・カー総論/国産車 編(1/3)

金子浩久VS小沢コージの2009年上半期ベスト・バイ・カー総論/国産車 編
(左)金子浩久氏/(右)小沢コージ氏 金子浩久氏 小沢コージ氏 (左)金子浩久氏/(右)小沢コージ氏 小沢コージ氏 日産 GT-R スペックV 三菱 アイ・ミーブ マツダ アクセラスポーツ&アクセラセダン トヨタ プリウス スバル レガシィツーリングワゴン トヨタ クラウンマジェスタ 画像ギャラリーはこちら

なんだかんだでプリウスに尽きる!

(左)金子浩久氏/(右)小沢コージ氏

小沢:今年ももう半分終わっちゃいましたか・・・。

金子:年取ると時間が経つのが早いのよ。小沢も遂に分かってきたみたいね(笑)。

小沢:とはいえ、相変わらずいろいろ出ましたよね。リストを見ると国産車だけで13台!

金子:ま、今年はプリウスに尽きるでしょう。最初のひと月で受注22万台で今、予約しても納車は来年4月以降ってんだからやんなっちゃう。それ話すだけで対談終わっちゃうんじゃない?(笑)。

小沢:その前に、ホンダのインサイトもありましたけどね。まさにハイブリッド協奏曲!

金子:考えてみればインサイトあってこそのプリウスだからね。インサイトが2月に驚異の200万円切りをやったからこそ、プリウスも205万円で出して来た。そういう意味では、インサイトさまさまと言えなくもない。

トヨタ プリウス

小沢:そんなこと言いつつ、自分はプリウスにもインサイトにも一票も入れてないじゃないですか!トータルベストはもちろん、ベストデザインにもベストドライビングにも入ってない。

金子:プリウスはどうせみんなが選ぶでしょ。俺たちジャーナリストは、日の当たらないところにスポットを当てるのも役目だから・・・。

小沢:らしくない。何バランス取ってるんですか。それにスバル レガシィ、ホントにいいと思ってますか。あのサイズとスタイルはあまりにアメリカンじゃないですか。

スバル レガシィツーリングワゴン

金子:なにいってんの。アレはスバルがステーションワゴンから卒業したということなんだよ。89年に初代が登場してからちょうど20年。自身言ってるように、日本にSW市場を作り上げたのはスバルだし、それを置き土産として、全く新しいチャレンジをしてるわけ。あの過去の捨て方は素晴らしいし、なかなかできないよ。

小沢:悪かったですね。別れた女に未練を断ち切れない男で。でもまあ、恋愛もヒット作も過去を断ち切るって確かに難しいですよね。ただし、新型レガシィも一応SWだし、なによりあのスタイルは個人的にちょっと・・・。

金子浩久氏

金子:スバルは昔から走りで勝負。スタイルが個性的なのはしょうがないのよ。

それより、本当の問題は今後。いかに最初の想いがぶれないか。初代インプレッサだって、マイケルJみたいに3回も顔変えてわけわからなくなったでしょ。あれはあれでいいんだよ。それよりあれを維持できるか。初志貫徹!

小沢:美人は3日で飽きる、○×は3日で飽きないの法則ですか。でも俺、美人と付き合った時、ずっと飽きなかったですけど(笑)。

金子:それとヘッドライトが大きく、左右に広がるのはセダンデザインの世界的傾向だからしょうがないの。日産ティアナにしろ、メルセデスのEクラスにしろそうだからね。中国市場に売るためにはしょうがないんだ。

小沢:じゃ、カラダに悪くっても中国産野菜を買うかって話ですよ。

金子:全然別の問題(笑)。

小沢:ところでホントのところ、プリウスはどう思ってます。評論家10人中6人の絶大なる支持を得てますが。

金子:もちろん凄いクルマだと思ってるよ。燃費から走りから。ただし、もはや異種格闘技だよね。他のクルマとは性能も立場も全く違う。

小沢:それでいて値段だけは同じですからね。反則っちゃ反則みたいなもの。同じハッチバックスタイルのホンダ ストリーム、トヨタ ウィッシュがかわいそうですよ。どっちもいいクルマなのに。

金子:それと一番の問題はアレは本当にエコカーブーム、ハイブリッドブームなのか。“エコカー減税ブーム”なんじゃないのかってことだよね。

小沢:重量税、取得税だけで15万円前後、さらに13年以上の中古車を下取りに出すと25万円の補助金が出るってんですからね。プリウスの場合、最高でほぼ40万円引き! カローラより安い。

金子:受注22万台は本当にクルマの魅力だけかは疑問。今後の評価を待たなければ。

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小沢 コージ
筆者小沢 コージ

横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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