トヨタ プリウス 試乗レポート/藤島知子 編

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プリウスはエコなのにストロングなクルマ

近ごろのプリウス人気ときたら目を見張るばかり。

受注台数が公表されるたびに、記録的な数字を更新していて驚かされますが、メーカー側の話によると、受注開始からわずか2ヶ月余りで11万台を達成しており、この数字は昨年度に売れたプリウスの登録台数を上回っているのだとか。

私自身は生活パターンが高速移動や山道を中心とした長距離移動が多く、これまでプリウスを買おうと思ったことはなかったのですが、これほどの社会現象を目の当たりにすると、さすがに意識せざるを得ないというのもホントのところ。

新しい世界観を垣間見せてくれる存在というものは、やはり気になるものです。

そんな私の気を引いたのは、3代目プリウスが謳う『ストロング・ハイブリッド』という言葉。

そう、「エコなのにストロング」なんです。

額面通りに受け取ると、エコとエゴが入り交じった矛盾したものに聞こえなくもありませんが、果たしてどんな走りを見せてくれるのでしょうか?そんなひねくれた考えをお腹の底にかかえながら、みなとみらいの一般道から首都高速湾岸線のドライブに繰り出しました。

今回のプリウスには全グレードに「エコモード」と「パワーモード」の切り替えスイッチがついてきます。

これらは低燃費走行を狙う場合にはエコモードに設定し、はたまた、元気よく走らせたいときはパワーモードに切り替えると、レスポンス抜群の走りを披露してくれるというもの。

ハイブリッドカーというと、転がり抵抗が少ないタイヤや、モーターやバッテリーの重量の影響でコーナーを苦手とするイメージがありますが、プリウスは1500kgを超える車重ながら、専用ユニットをはじめ、各所の地道な軽量化によって、コーナーでは静かにひらひらと浮遊しているような軽快さで鼻先が向きを変えていくのです。

これは普通のクルマでは得られなかった、新感覚の走行フィールといっても過言ではありません。

タイヤサイズは205万円のLグレードが185/65R15、GとSには195/65R15、G・Sのツーリングセレクションには215/45R17が設定されています。

なかでも、快適装備と走りを重視する人にオススメしたいのがGの“ツーリングセレクション“。

15インチ仕様は日本専用設計となりますが、17インチは欧米仕様と共通のもの。17インチはサスペンションの取り付け部が路面からの入力が分離できる機構になっていることで、しなやかな走りとワンランク上の乗り心地が両立されています。

さらに、ブラシレスモーターが採用されたパワステは、わずかな操舵に対して緻密に反応してみせるので、車線変更やコーナリングがスマートにこなしてみせます。それと比べてGとS、Lといった15インチのグレードは、狭い場所で小回り感は実感できるものの、ステアリングの操舵フィールがややラフな印象を受けるかもしれません。

一方で、ベースグレードのLはアクセサリ用のハーネスや遮音材を省略することで徹底的に軽量化され、それでいて床下の空力パーツは残すことで38km/Lを叩き出した「低燃費割り切り仕様」。

動力性能は基本的に全車共通となるので、実際に購入を検討するとなれば、迷いどころは燃費性能をとるのか、走行性能と快適性、シートの材質が決め手となっていきそうです。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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