【清水草一試乗記】このクルマ、乗ればわかるさ!!vol.2 トヨタ プリウス&日産 デュアリス編(2/3)

【清水草一試乗記】このクルマ、乗ればわかるさ!!vol.2 トヨタ プリウス&日産 デュアリス編
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ハイブリッドカー、トヨタ プリウス

トヨタ プリウス&日産デュアリス リアデザイントヨタ プリウス ラゲッジスペース

まず、トヨタ プリウス!これについては、言わずもがなだ。誰もがホメまくって当然の、世界唯一のハイブリッド専用量販車であり、世界の傑作車の筆頭に挙げてもいいくらいのクルマなのだから。

その乗り味は、絵に描いたような未来感覚。モーターだけで静かに発進し、ガソリンエンジンとの切り替え制御は洗練を極め、交差点ではエンジンが停止し、同時に小鳥のさえずりや雑踏のざわめきが聞こえてくる。その瞬間、隣に並んだフェラーリの私は、自分が原始時代の乗り物に乗っているような気分にさせられるのである。

多くの主婦の皆様が、現在もプリウスを電気自動車だと誤解しているが、さもありなんという、すばらしくもわかりやすい、実にステキなクルマである。

ただ、ひとつ注意しなければいけない。現行の2代目が登場したのは2003年9月。そして2年後の2005年11月にマイナーチェンジを受けている。この、マイチェン前とマイチェン後では、大きく違う点がある!

それは、乗り心地だ。前期モデルは、相当乗り心地が悪いのだ。

トヨタ プリウスを試乗する清水草一

私は、現行プリウスが登場した時、その乗り心地のあまりの安っぽさに絶句した。サスペンションの容量がまったく足りず、ちょっとでも路面に凹凸があると、ドシンドシン、ガンガン! と安っぽい突き上げがきた。初代プリウスが採算を度外視してゼイタクに作られていただけに、2代目でそのコストを思いっきり回収に来たのか、ついにトヨタ得意のコストダウン魂が炸裂したのかぁ! と、非常に残念な気分だった。

しかし、2005年のマイナーチェンジで、この欠点はほぼ解消され、フンワリとした、地面からちょっと浮かんで走っているような、初代プリウスが持っていた浮遊感覚の乗り心地が復活したのである。もちろん、ハイブリッドシステムの素晴らしさはそのまんま。黙っていてもリッター20km近く走る燃費性能に感嘆しつつ、「もっと好燃費を!」と、常に新たなチャレンジの気持ちで走れるというのは、ある意味レーシングカー的であり、クルマバカ的にも非常に濃い、走り甲斐のあるクルマだ。

プリウスよ、お前にはもはや非の打ち所はない!

トヨタ プリウス 試乗

現在新車で売っているプリウスは、もはや非の打ち所はない!と思いつつ、今回初めて、箱根のワインディングでプリウスを走らせてみたところ、こういうところを飛ばすのには、極めて向いていないクルマであることを発見した(スイマセン)。

まず、タイヤが省燃費系のものなので、グリップが低く、すぐにフロントタイヤが悲鳴をあげ、現在売られている全車種の中で指折りにアンダーステアが顕著だ。また、アトキンソンサイクルのガソリンエンジンは、高回転でのフィーリングがガサガサと非常に悪く、内燃機関の快感とは最も遠いところにあった。

こういった欠点は、「フェラーリは荷物が積めない」といった指摘と同種のもので、プリウスの素晴らしさを少しも損なうものではない! 乗ればわかるさ!

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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