TRDアクア&TRDプリウス Sportivo 試乗レポート/今井優杏(2/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
「PRIUS TRD Sportivo」の乗り味は“上品”かつ“快適”!
また、このプリウスを語る上で欠かせないのがブレーキパッド“Blue”だ。
こちらは“あの”回生ブレーキのクセ、いわゆるカックンとした繊細な効きをいなすためのパッドである。しっかりと効きながらもソフトに制動できるように開発されたTRDの隠れた自信作だ。しかも丸い粒子を採用し、出たブレーキダストがホイールなどに付着しても焼き付きにくく、するんと落ちるように開発されている。
オシャレもクルマも足元から、なのだ。あんまり汚いホイールを履いているとクルマ全体が老けた印象になってしまうので、是非装着を検討されるといい。
余談だが、私は他人の運転するクルマの助手席に乗るとき、ブレーキのタッチが上手な男性には俄然、好感度3割増しになってしまう。“助手席の人が酔わないブレーキング”はモテるんである。
さて、これらのパーツを装着したPRIUS TRD Sportivoだが、とにかく上品な乗り味なのだ。
それが先述した“良くも悪くも期待を裏切る”という言葉に繋がる。アシは適度に柔らかく、路面の情報をソフトに逃がしながらヨーレートが抑えられ、しっかりと剛性を感じられる仕上がりになっている。
まるでちょっと上級なスポーティーグレードのような仕上がりで、ヤンチャな感じは微塵もない。
敢えて言うならハイレスポンスマフラーからもたらされる太いサウンドからTRDらしさを感じられる程度で、これならファミリーユースでも、同乗者に「パパ、このクルマ酔う~!」なんて言われることはないだろう。
まさに街中での性能を極限にまで考えられたしなやかなチューニングに、“TRDといえばモータースポーツ!”と考えてしまうレースファンである私にとっては、少し物足りなさを感じてしまう。
しかし、そもそもプリウスにそこまでのレース性能を求める人が少ないというユーザー層を考えれば、このサスペンションは大正解。
これまでにあまり見られなかった、“ガチで街中で快適な応答性”と言えるだろう。
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