日本版コンシューマレポート-トヨタ プリウス ユーザー試乗レビュー-(5/6)

日本版コンシューマレポート-トヨタ プリウス ユーザー試乗レビュー-
プリウス フロントイメージ プリウス リアイメージ プリウス フロントイメージ プリウス リアイメージ プリウス サイドイメージ プリウス インテリア プリウス インテリア プリウス フロントシート プリウス リアシート プリウス エンジン 画像ギャラリーはこちら

トヨタ プリウスのユーザー総合評価

今回の解析データに、筆者の過去体験を加えてみる。そうすると「プリウス」人気の理由が見えてきた。

今回のデータでは、各年代が日常の様々なシチュエーションにおける満足度が高い。

これをクルマ以外の商品で例えるならば「ユニクロ」だ。そこそこの価格で高品質で高評判、世界各地の全世代にウケる、という商品性だ。

この「ユニクロ」的発想で考えれば、今回のユーザー試乗に中高年の方が多かったことも頷ける。

実際には50歳代後半も多く、60代の方もふたりいた。こうした年代の方にとってここ数年、「買いたいと思えるクルマがない」状態が続いてきたに違いない。

高度成長期に一般庶民には、トヨタで言えば、国民的人気の「カローラ」→無難な「マークⅡ」→いつかは「クラウン」。日産なら、「サニー」→「ローレル」→「セドグロ」。

そうした「クルマ購入ステップアップの常識」があった。それがいつしか、ミニバン王国となった日本。

「一応ミニバンを買ってみた」「車庫にクラウンが置きっぱなし」という中高年の方は多いはず。そうした層に「プリウス」はベストマッチした。

「プリウス」は値段もそこそこ。せっかく買うのなら「これまで体験したことのない何かが欲しい」という願望も満たしてくれる。

いまならエコカー減税・補助金もある。ご近所の手前もあるが・・・、「プリウス」なら「環境意識」「最先端のハイブリッド車」という「(良い意味での)言い訳」も出来る。

こうして、「昔クルマが売れた時代を支えてきた層」が「プリウス」によって「クルマへの思い」が目覚めたのだ。その流れと、30~40代の「環境意識の高まりというトレンドに乗りたい気持ち」が重なりあったのだ。

つまり、日本のユーザーは「プリウス」を「環境イメージ商品」として見ている。今回の試乗コメントのなかにも、「燃費」という言葉はほとんどなかった。

ちなみに、「プリウス」のライバルである「インサイト」を生み出したホンダの伊東孝紳社長は2010年1月、米デトロイトショーの「CR-Z」発表時、記者団の囲み取材でこう言っている。

「アメリカのお客さんは燃費重視でハイブリッド車を見ている。それに対して日本のお客さんは、燃費は二の次で、環境というイメージでハイブリッド車を買っている人がほとんどだ」(伊東社長)

アメリカでは、ガソリン価格とハイブリッド車の販売実績が明らかに比例している。その傾向が日本では見当たらないのだ。

また今回の設問で、「プリウスをインサイトと比べてどう思うか?」と聞いた。そこで初めて「燃費」が登場する。だがそれは「カタログ上の数字で、インサイトより燃費が良い」という指摘だ。また、多くのコメントが「プリウス優位」を指摘。その理由では、室内の広さ、上質感が主流となった。

「インサイト」以外にも近年中に、日米欧韓中の各メーカーがハイブリッド車を世界市場に投入してくる。そのなかで、ハイブリッド車の先駆者「プリウス」の存在感は益々大きくなっていくだろう。さらに2011年末、「プリウス・プラグインハイブリッド」が一般発売され、世間から「プリウス」への関心はさらに高まっていく。

また、現在は一息ついているガソリン価格だが、中長期的に見れば上昇傾向にあるのは間違いない。となれば、ハイブリッド車の「好燃費という実質的メリット」が注目される。このように、日本での「プリウス」人気は当分続くと思われる。

プリウス/紹介コメント(インサイトとの比較)

・航続距離が違う (ヤマグチさん 埼玉県)

・プリウスの方が大人っぽい (カナザワさん 青森県)

・インサイトの質感より、プリウスのほうが上質で、ハイブリットがよく理解できる (キムラさん 大阪府)

・インサイトへの試乗及び現物確認していなかった。そのままプリウス予約購入しました (フジモトさん 宮城県)

・インサイトを意識した”価格設定?”のため、お買い得感はある? (カネコさん 神奈川県)

・両方試乗しましたが、プリウスの方が静かでパワフルでエコカーらしさが出ています (アリアケさん 秋田県)

・インサイトは試乗してませんが、プリウスを選ぶと思います (バンさん 埼玉県)

・プリウスに乗ると、インサイトがちゃっちすぎておもちゃみたいでした。プリウスは先進性の雰囲気はありますが、そこまでハイブリッドを意識しないほど、乗り心地は良かったです (ハヤシさん 東京都)

・インサイトの方が乗っていて明るい印象。プリウスの方がやや室内が広く装備も良いが、価格差があるのでどちらが上ということはない。デザインはインサイトが良い。プリウスは典型的な日本車のデザインでフロントが平凡 (竜&丈さん 東京都)

・インサイトは中が狭いし、後ろに荷物が乗せられない。キャディバッグが横に乗せられない。プリウスは運転席も広いし、天井の圧迫感がない。キャディバッグも横に2個乗せれそうでした (ドンちゃんさん 新潟県)

・走っていて楽しいのはインサイト。逆にプリウスは高級セダンというイメージがある (ハクスイさん 東京都)

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ プリウスの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ プリウスのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ プリウスの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ プリウスの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ プリウスのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる