日本車にも小排気量ターボが「復活」!トヨタ オーリス、マイチェンで1.2リッター直4ターボを新たに搭載/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
1.8リッター相当のパワーと良好な燃費を備える
この直噴ターボエンジンは8NR-FTS型と呼ばれ、1.2リッターでも直列4気筒。ヴィッツの1.3リッター、カローラアクシオ&フィールダーの1.5リッターと並んで、トヨタの新世代エンジンに位置付けられる。
直噴方式に加えて、新しい可変バルブタイミングシステムのVVT-iWなども採用して、ターボには当然ながらインタークーラーも備わる。
最高出力は116馬力(5,200~5,600rpm)、最大トルクは18.9kg-m(1,500~4,000rpm)。ノーマルエンジンでいえば、最高出力は1.5リッター、最大トルクは1.8リッタークラスだ。最大トルクは幅広い回転域で発揮され、運転感覚としては1.8リッターに相当する。
JC08モード燃費は、アイドリングストップなども装着されて19.4km/Lだから、1.5リッタークラスになる。最大トルクの数値が高い割に、燃料の消費量は少ない。
この燃費数値は、平成27年度燃費基準プラス10%を達成するので、2015年4/5月から段階的に施行される新しいエコカー減税にも該当する。購入時に納める自動車取得税は40%、自動車重量税は25%の軽減だ。
1.2リッターターボの搭載グレードが限られているのが惜しい
残念に思うのは、この新しい1.2リッターのターボを搭載するのが、120Tと呼ばれる1グレードに限られること。
価格は259万37円(無段変速ATのCVT)と高い。装備は相応に充実して、自動ブレーキを作動できる衝突回避の支援機能、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプ、スポーツシートなどをそろえるものの、ミドルサイズハッチバックの売れ筋価格帯(210~240万円前後)を超えている。
ほかのグレードと比べても、エアロパーツや16インチアルミホイールを備えた1.8リッターのRSが246万437円(6速MT)だから、120Tはオーリスの最上級グレードに位置付けられる。
こうなると燃費が優れるとはいえ、出費を抑える目的では選びにくい。だからといってスポーツ指向でもないから、中途半端なグレードに受け取られる。
価格が近いターボ車は、フォルクスワーゲンゴルフ・トレンドラインで264万円。ヘッドランプはハロゲンだが、プリクラッシュブレーキやアルミホイールは標準装着され、JC08モード燃費は21km/Lだからオーリスを少し上まわる。オーリス120Tはゴルフと真っ向から対決することになった。
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