トヨタ アクア マイナーチェンジ(2014年12月)新型車解説/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
メッキ装飾の専用色2色を含む14色が選択可能
グレードは、標準ボディについてはベーシックなL(176万1,382円)、中級のS(188万7,055円)、上級のG(195万3,818円)で、最上級にはGブラックソフトレザーセレクション(203万6,291円)を設定した。これらの内、売れ筋になるSとGには、躍動的なデザインの15インチフルホイールキャップを新採用。
ドアミラー/ドアハンドル/バックドアガーニッシュにメッキの装飾を施した「シャイニーデコレーション」も新たにオプション設定されている。ボディカラーも見直され、新色としてオレンジパール、フレッシュグリーンマイカを加えた。
「シャイニーデコレーション」の専用色として、チェリーパール、ダークバイオレットマイカもあり、合計すれば14色から選択できる。
内装はピアノブラック塗装採用で質感が向上
内装にも手を加え、インパネの中央やサイド部分には、光沢のあるピアノブラック塗装を施した。
内装色は、Sグレードではブルーブラックとブリリアンレッド。Gには上級グレードらしく落ち着いたディープブラウンを設定するなど、グレードによる個性も明確になっている。
走行性能に関係した改良では、ボディのスポット溶接箇所を増やした。各部の溶接の仕方が強固になり、ボディ剛性が向上している。これに伴って、サスペンションにもチューニングを施し、走行安定性、乗り心地、静粛性などをバランス良く進化させた。
Gには車間距離の制御機能を持たないベーシックなクルーズコントロールも採用され、長距離ドライブ時の快適性を高めている。その一方で、JC08モード燃費は従来と同じ37km/Lだ。
2014年11月26日に掲載した「これがトヨタの最先端!今後採用される安全技術を探る」でもレポートしたように、トヨタはミドルサイズ以上の車種を対象に「ミリ波レーダー+単眼カメラ」、コンパクトカー向けに「赤外線レーザー+単眼カメラ」という、2種類のセンサーによる安全装備を開発している。
アクアに採用されるのは、コンパクトカーとあって低価格で装着できる「赤外線レーザー+単眼カメラ」になりそうだが、作動速度の上限は時速80kmまでだ。アクアは走行性能が優れ、高速道路を使った長距離移動の機会も多いから、「ミリ波レーダー+単眼カメラ」のタイプが好ましい。
安全装備に課題を残すものの、アクアは大量に販売される車種だから、内外装の質感、乗り心地、走行安定性などを向上させたメリットは大きい。ホンダもフィットハイブリッドに続いて、コンパクトなハイブリッドセダンのグレイスも加えた。なので手頃な価格で買える5ナンバーサイズのハイブリッド車が充実してきた。
是非はともかく、消費税の10%増税も先送りされそうなので、現在のエコカー減税が維持されれば、先進のハイブリッド車をますます購入しやすくなるだろう。
トヨタ アクア 2014年12月マイナーチェンジ ラインナップと価格
アクア L/THS II/2WD(FF)/1,761,382円
アクア S/THS II/2WD(FF)/1,887,055円
アクア G/THS II/2WD(FF)/1,953,818円
アクア G “ブラックソフトレザーセレクション”/THS II/2WD(FF)/2,036,291円
アクア X-URBAN/THS II/2WD(FF)/2,046,109円
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