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試乗レポート 2007/10/16 16:45

トヨタ マークXジオ 試乗レポート

関連: トヨタ マークXジオ Text: 河村 康彦 Photo: 島村栄二
トヨタ マークXジオ 試乗レポート

“新・大人関係”4+Freeという提案

子育ても終わり自らのために割ける時間も増えたので、アルファードやエスティマのような大きなミニバンはもう必要ない。

とは言うものの、これまでに広い室内空間を持つクルマを使ってきた経験から、単なるセダンにはもう戻りたくない――キャッチフレーズとして“新・大人関係”を謳うマークXジオは、要はそうした人たちをターゲットとした新しいパッケージングを提案するニューモデルだ。

何事にも綿密なマーケティングで挑むトヨタの作品だけに、実はそんな狙いを持つこのモデルには人々の反応をリサーチするための“出典”が存在。それが、2005年の東京モーターショーに出展をされた『FSC』なるコンセプトカーという事になる。

今、改めて目にすれば、一見してマークXジオのベースである事が納得出来るルックスの持ち主であるこのショーモデルは、実はこの新型車が大きな売り物とする“4+Free”という室内レイアウトを人々に問うための実験台でもあったのだ。

結果、このモーターショーで、そうした考え方に対する多くの賛同の声に加えてスタイリング的にも好評を博した事が、今のタイミングでマークXジオをリリースする大きな動機付けになったとも言う。

「ミニバンとは呼ばせない」デザイン開発

3列シートを備えるモデルではあるものの、外観的には決して“ミニバン”には見えない事――これが、マークXジオのエクステリア・デザイン開発にまつわる極めて大きな課題になってきた事柄であるという。

1,550mmという、パレット方式のタワーパーキングへの入庫も意識したと想像出来る全高は、奇しくも低床ミニバンを謳うホンダ・オデッセイのそれと全くの同数値。

ただし、前出ショーモデルのFSCに比べると30mmほど高くなっているのは、3列目シートでの頭上空間確保などを考慮した結果と言う。その一方で「ミニバンとは呼ばせない」というためのルックス上の要となったのは、リアウインドウに与えられた強い傾斜角。その実現のため、当初予定したリア・オーバーハングをさらに延長するなどといった苦労話も聞かれる。フェンダー周りやショルダー部分の強い抑揚も、やはり見る人にミニバンとは明確に異なるカテゴリーに属する事を主張する重要なポイントとなっている。

インテリアは明確に前2列優先型のパッケージングで、3列目シートでのスペースはあくまでも「緊急用」という程度。セダン風の雰囲気を醸すためにトノカバーは折り畳んだ3列目シートを完全に隠せるデザインだが、率直なところその着脱作業はやはり面倒なもの。ちなみに、FSCではこの部分が電動で“変身”可能な構造になっていたのだが。

静粛性に富んだ点はさすがマークXを名乗る資格あり

“マークX”のブランド名を冠するものの、実はこのモデルは前輪駆動のプラットフォームがその骨格。そうした事もあり、その走りのテイストもどちらかと言えばごくファミリー指向の感触が基本で、例え18インチ・シューズを履く3.5Lモデルでも、ハンドリングの感覚に機敏な印象は薄い。

テストドライブを行ったのは、最高280psのエンジンを6速ATと組み合わせるそんな3.5Lの『350G』と、やはり同じく18inchシューズを履き2.4LエンジンにCVTを組み合わせる『240G』、及び16inchシューズを履いた『240F』の4WD仕様という3タイプ。

結論から言うと、パワーパックは2.4Lエンジン+CVTが好印象でフットワークは16inch仕様がベター。

フロントセクションはブレイドをベースとしたというシャシーは18inchシューズを完全には履きこなせていない印象で、常に消えないブルブルとした振動感やロードノイズの大きさがちょっと気になったし、V6エンジンが生み出す大きなトルクとパワーは前2輪だけでは吸収しきれない感触を受ける事になったからだ。

感心したのはいずれのモデルも静粛性に富んでいた事で、これはなるほど『マークX』を名乗るに相応しいレベル。一方、“ひねり”の効いたドアハンドルやアクリルのエッジライト技術を用いたメーターなどが凝ったデザインのインテリアは、ハードパッド仕上げのダッシュボードの質感がドアトリム面などに比べわずかに物足りない印象なのが惜しい。

シートは“セパレートorベンチ”ユーザーのジャッジに注目

ミニバンでもなくワゴンでもなくもちろんセダンでもなく、それらの良さを全てひとまとめにするという欲張りな発想から生み出されたのがマークXジオ。

このところの日本の他メーカーが、合理化のために軽自動車やミニバン以外は日本専売モデルの開発は行わないという傾向が強い中で、こうして「日本のための日本のクルマ」を生み出したのはやはりトップメーカーの余力を見せ付けられた思いでもある。

一方で、既存のパッケージングとは一線を画すべく創造された“4+Free”のコンセプトが本当にユーザーに支持をされたのか否かは、2列目がセパレート・シートの6人乗り仕様がより多く売れるのか、そこがベンチ・シートとなる7人乗り仕様がより売れるのかで大体の判断が付きそうだ。

当然ながら開発陣が推すのは前者。が、そうした一方で実際には後者が過半数を占めるとなれば、現実のユーザーはやはりこのモデルを“新種のミニバン”としか受け取っていないという証明にもなってしまいそうだからだ。

筆者: 河村 康彦

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