日本にない日本車 ~新興国専用ミニバン「トヨタ イノーバ・アバンザ」~(2/4)

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:トヨタ自動車・桃田健史
日本にない日本車 ~新興国専用ミニバン「トヨタ イノーバ・アバンザ」~
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日本に馴染みの薄い「IMV」からの派生車

東南アジアを巡っていると、日本とはやや違うが、ミニバン文化が着実に育っているように感じる。

その代表例が「イノーバ」と「アバンザ」。

東宝映画や円谷プロの怪獣の名前のようだが、この2台はれっきとしたトヨタブランドの人気車だ。

トヨタ フォーチュナー

トヨタが2002年、新興国向けの世界戦略車として開発したのが、IMV(インターナショナル/イノベーティブ・マルチパーパス・ヴィークル)だ。

ざっくり言えば、ピックアップトラックのラダーシャーシ(モノコックではなく、シンプルな井型/ハシゴ型形状の車体)を使って、トラック、SUV、ミニバンなど多彩なラインアップを効率的に作るための考え方だ。

これを、東南アジア、南米、中東、アフリカ等、世界150ケ国近くの新興国と経済発展後進国で販売している。生産地は、ベネズエラ、アルゼンチン、南アフリカ、エジプト、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、そしてベトナムと、まさに世界各地に及ぶ。

現在のIMVのラインアップでは、ピックアップトラックが「ハイラックス・ヴィーゴ」、SUVが「フォーチュナー」、そしてミニバンが「イノーバ」だ。

アジアで人気のミニバン「イノーバ」

「イノーバ」の車体寸法(タイ仕様)は、全長x全幅x全高=4585mmx1775 mmx1760mm。ホイールベースは2760mm。

外観デザインはけっして派手さはなく、多くの人に親しんでもらえるような「ほんわり」とした雰囲気だ。文化、宗教、人種が違う国々の、最大公約数を見つけ出すのは至難の業だ。

パワートレインはタイの場合、2.0リッター 直4「1TR-FE」(136ps/ 182Nm)。トランスミッションは4ATと5MT。インドネシア等、ディーゼル需要が多い国では2.5リッター 直4ターボ「2KDーFTV」(102ps/200Nm)と5MTの組み合わせだ。

価格はけっこう高く、ベースモデルが86万バーツ(1バーツ=3.15円換算で、約270万円)。IMV派生車の「ハイラックス・ヴィーゴ」が約160万円から、「フォーチュナー」が約347万円からと、新興国の庶民にとっては高級車だ。

80年代の日本を想わせる貨客両用モデル

[日本にない日本車]トヨタ イノーバ(フィリピン・マニラにて)

そんな「イノーバ」だが、実際の使われ方は商用と乗用の中間。日本で考えるなら、80年代に大ヒットした「タウンエース」のようなイメージだろう。

その証拠に、「イノーバ」より高級なミニバンを欲しい人は、タイの場合、「ハイエース」がある。さらにハイルーフ版になると「(ハイエース)コミューター」となる。

こうしたIMV「イノーバ」が通用しない国がある。

トヨタも想定外だった。

その国とは、インドネシアだ。

[次ページへ続く]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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