トヨタ アイシス 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
トヨタ アイシス 試乗レポート
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パノラマオープンドアを備えるアイシスがマイナーチェンジ

イメージ
ピラーレスドアオープンフロントスタイル

最も充実したミニバンのラインナップを持つトヨタの中で、ミドルクラスに位置付けられるモデル。元々はイプサムの姉妹車として登場したガイアの後継モデルのような形で登場してきたが、イプサム/ガイアの流れとは違う形で登場した。2004年9月の発売以降、ノア/ヴォクシーほどではないが、安定した売れ行きを続けている。

特徴のひとつは全高を抑えたパッケージングで、同じトヨタのノア/ヴォクシーに比べると20cmほど低い全高とされている。それでいながら、室内高はノア/ヴォクシーに比べてほんの少ししか低くなっていないから、どれだけ合理的なパッケージングがなされたかが良く分かる。

もうひとつの特徴はボディ左サイドのパノラマオープンドア。Bピラーをドアに内蔵することで、助手席のヒンジ式ドアと後部のスライドドアを開くと、横幅1890mmの大きな開口部が生まれる。これによる乗降性の良さはほかのどのクルマにもないアイシスならではのもの。老人や子ども、障害者などにとっても乗り降りしやすいクルマである。

発売から2年半ほど経過したため2007年5月には前後のデザインを変更し、装備を充実化させるなどのマイナーチェンジを行った。

オプションでワイドフロントビューモニターを設定

ワイドビューカメラ
モニターインパネ

全高を抑えたパッケージングが生み出すアイシスの外観デザインは、ミニバンらしからぬもの。落ち着いた安定感のあるデザインもアイシスの特徴となる部分だ。今回のマイナーチェンジではフロント回りのテザインが変更され、バンパーやグリル、ヘッドライトなどが新しくなった。

フロント部分では、ワイドビューフロントモニターが全車にオプション設定(HDDナビとセット)されたので、装着車のグリル内には小さなカメラが設けられている。リヤもバンパーやガーニッシュが新しくなり、ほかにホイールのデザインも変更されている。

インテリアはシートやドアトリムの表皮が変更された程度で大きな変更はない。前席での左右移動を可能にするインパネシフトのレバー部分に特徴的な非対称デザインが採用されているのは従来と変わらない。一部のグレードではCVTの変速操作用にパドルシフトが採用されたので、ステアリングコラムの裏側にパドルが設定された。

相変わらず安定感の乗用車ライクな走り

エンジン(2.0L)
パドルシフトシフト

アイシスの搭載エンジンは4気筒2.0Lの直噴仕様と1.8Lの2機種。アイシスでは上級モデルとなる2.0L車のほうが良く売れているという。今回はエンジンやトランスミッション、サスペンションなどについては変更を受けていないが、相変わらず安定感の乗用車ライクな走りを示してくれる。

全高を抑えたパッケージングにより、ミドルクラスのミニバンとしては重さも心持ち軽く、重心高も低くなっているため、コーナーでのロールも少なく、安定した姿勢での走りが可能なのだ。着座位置の低さからアイポイントも低めになるため、ドライバーの感じるロール感も乗用車的なものになる。

直噴の2.0Lエンジンは動力性能に余裕があり、スーパーCVT-iとの組み合わせによって静かで滑らかな走りを実現する。2.0Lのプラタナには7速のシーケンシャルシフトマチックとパドルシフトが採用されており、ステアリングから手を離すことなくマニュアル車感覚の変速を操作を楽しむことも可能。

ただ、パドル操作をするためには先にマニュアルモードを選ぶ必要があり、パドルそのものもステアリングと一緒に回転するため必ずしも操作性が高いとはいえない面もある。

1.8Lエンジンの搭載車は必要十分な動力性能。2.0L車とは17kWほどの違いがあるが、実用的にはこれでも不満はない。電子制御4速ATとの組み合わせになるが、走りのスムーズさもそれなりに確保されている。

予算に余裕がある人はVSC付の2.0L車がお勧め

走行エンブレム

トヨタ店で販売されるアイシスでは、2.0Lエンジンを搭載車プラタナやGなど、上級グレードの販売比率が高いという。価格設定は200万円台前半に抑えられているものの、この本体価格に加えてカーナビだけで30万円以上となるオプションを何点か装着することを考えると、2.0L車の購入総予算は300万円を超えることになる。1.8L車を選ぶほうが現実的な選択になりそうだ。

すでに触れたようにトヨタのHDDナビは、ワイドビューフロントモニターなどと組み合わされるため、安全性を高めるためにも積極的に選びたいもの。さらにSRSサイド&カーテンエアバッグなど欲しい装備はいくつかあるから、総予算を抑えるためには1.8L車を選ぶと良い。

ただ、1.8L車を選ぶと、2.0L車には全車にオプション設定されている横滑り防止装置のVSCが選択できなくなる。できることならVSCを選びたいので、予算に余裕がある人は2.0L車を選んでVSCをオプション装着するようにしたい。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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