2010年10月度新車販売ランキング/松下宏(1/3)

2010年10月度新車販売ランキング/松下宏
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エコカー補助金終了の影響により登録車はマイナス、軽自動車は影響が少ない

2010年10月の新車販売は、9月の途中でエコカー補助金が予算切れになった影響で、大幅なマイナスを記録した。軽自動車を除いた登録車は193,258台で、前年に比べて26.4%のマイナスで、軽自動車は111,070台で16.2%のマイナスだった。

エコカー補助金は登録車に有利で軽自動車はその半分という設定だったため、補助金がなくなった影響は逆に登録車のほうが大きく受ける結果になった。まあこれは止むを得ないだろう。

そんな中で、状況の悪いときほど安定した強さを発揮するのがトヨタで、全体需要に比べるとやや小さめの落ち込み幅となったこともあり、トヨタとレクサスを合わせてオールトヨタのシェアは過去最高の53.6%を記録した。

いずれにしても今後は、11月~12月の売れ行きがどのように推移していくかが注目される。

特に登録車は、2009年11月~12月の販売台数が2008年11月~12月に対して36%もの伸びを示していただけに、前年比のベースが高くなっている。その台数との比較で2010年の売れ行きが判断されるのだから、かなり厳しいといえる。

ただ、メーカー、ディーラー各社が補助金後に対応してさまざまな販売促進策を取っているので、これによってどれくらい販売を引き上げられるかに懸かっている。

1位~10位:変わらずプリウス首位、フィットがHV車追加により3位へ

※()内は販売台数

1位:プリウス(21,769)/2位:ワゴンR(15,175)

3位:フィット(14,034)/4位:タント(12,468)

5位:ムーヴ(7,773)/6位:カローラ(7,760)

7位:フリード(6,747)/8位:ミラ(6,353)

9位:アルト(6,324)/10位:ヴィッツ(6,315)

10月の販売台数を見ても、相変わらず「トヨタ プリウス」が首位に立っている。

10月も唯一2万台を超える販売台数を記録しており、首位独走の図式は変わらない。

プリウスは6~7月くらいの時点でエコカー補助金に間に合わないことが確実になり、それまでホームページに明記していた納車メドの掲載を止めたため、受注ペースがやや落ちていると言われたものの、それでも相変わらずの2万台超を達成した。

ダイハツ タント

2位は「スズキ ワゴンR」で10月は「ダイハツ タント」を逆転。

タントはマイナーチェンジの端境期にあたったため、やや台数を落として4位となった。この結果、1月からの累計販売台数は200台ほどの差にまで接近してきたが、11月以降はマイナーチェンジで魅力が増したタントが巻き返すのは確実で、ワゴンRが年間首位を確保することは難しそうだ。

ワゴンRとタントの間に割って入ったのが「ホンダ フィット」。

ホンダ フィットハイブリッド

マイナーチェンジとハイブリッド車の追加を実施するのに合わせ、事前に予約受注を集めていた。159万円からという割安な価格を設定したハイブリッド車が6割くらいの比率で売れているとのことで、今後のさらなる売れ行きが注目される。

5位の「ダイハツ ムーヴ」からは1万台に届かず、タントには5,000台近くも差をつけられている。ムーヴは、すでにモデル末期にあるだけに止むを得ないところだろうか。

6位は「トヨタ カローラ」で8,000台に届かない台数。今となっては、プリウスがカローラに相当するクルマになったということだろう。

以下、フリード、ミラ、アルト、ヴィッツまでがベスト10。

10月は、半分である5台を軽自動車が占めるという結果になった。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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