トヨタ iQ EV/ FCHVアドバンスド 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
燃料電池車はすでに完成の域に達している
また今回、トヨタのFCVの最新版である「FCHVアドバンスド」にも試乗することができた。
こちらも技術的にクルマ側でやるべきことはすでに完成の域に達しているとのことで、あとはインフラの整備を待つ状況という。
同車はすでに限定でリース販売が始まっており、そして前述のとおり、おそらく同車に搭載されたパワートレインを何らかの形で活用したセダンタイプのクルマが、1000万円を切る車両価格で、そう遠くない将来に市場に投入されることになるわけだ。
基本システムは、自社製の「トヨタFCスタック」を動力源とし、高圧水素を燃料に、酸素との化学反応によって発生した電気を使ってモーターを動かし、走行するというもの。
最新のアドバンスドでは、各部の改良を重ねたことや、水素の充填圧力を70Mpaに倍増させたことで、航続距離が当初の300kmから2.5倍増となる830kmに達している。また、当初はてこずった低温時の始動性の問題も解決したとのことだ。
走りはいたってスムーズでパワフル。
2トン近くの車体をものともせず軽やかに走らせる。回生ブレーキにあまり違和感を覚えないのも特徴で、自重がむしろ好いほうに採用し、安定したフィーリングになっているようだ。
水素タンクはラゲッジの下に搭載されている。トヨタでは、ゼロエミッション車の棲み分けを、近距離はEVで、中~長距離はFCVでと考えている。
そのため、航続距離を伸ばすにはどうしてもタンクの容量を増やす必要があるわけで、SUVのようにそれなりに容積のあるクルマでないと搭載は難しいわけだが、トヨタはそれをセダンタイプの車両での実用化を視野に入れているというから、どのような形で出てくるのか期待したいと思う
こうして、かなり具体的なトヨタの近未来の環境技術に触れることができたわけだが、他メーカーの動向も含め、「自動車」のあり方の変化は、我々が認識しているよりも速いスピードで進んでいるようで、技術開発自体についても想像以上に進化していることがうかがい知れた。
なお、トヨタでは今回の発表を機に、ユーザーとともにこれからのエコカーを考えていく「みんなのエコカー会議」サイト(http://ecocar-kaigi.jp/)と、PHVの特徴を魅力的に紹介する「つぷらぐ」サイト(http://toyota-phv.jp/)という2つのポータルサイトを開設しているので、興味のある方はぜひご覧になって欲しい。
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