【解説】トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」発売、姉妹車“ノア・ヴォク”との違いは!?/渡辺陽一郎(2/2)

【解説】トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」発売、姉妹車“ノア・ヴォク”との違いは!?/渡辺陽一郎
トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド/ミニバンにおける新たな高級車として「新上級コンパクトキャブワゴン」を掲げるエスクァイア トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド/大きな「T字」構えのフロントグリルが特徴 トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッドフロントイメージ/これまでのミニバンのイメージを変える「質感の高さ」や「こだわりの強さ」を大切にした新たな高級車を目指したエスクァイア トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド リアイメージ/これまでのミニバンのイメージを変える「質感の高さ」や「こだわりの強さ」を大切にした新たな高級車を目指したエスクァイア トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド フロントビュー/これまでのミニバンのイメージを変える「質感の高さ」や「こだわりの強さ」を大切にした新たな高級車を目指したエスクァイア トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド リアビュー/これまでのミニバンのイメージを変える「質感の高さ」や「こだわりの強さ」を大切にした新たな高級車を目指したエスクァイア トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド サイドビュー/これまでのミニバンのイメージを変える「質感の高さ」や「こだわりの強さ」を大切にした新たな高級車を目指したエスクァイア トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド/大きな「T字」構えのフロントグリルが特徴 トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド/大きな「T字」構えのフロントグリルが特徴 トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド 画像ギャラリーはこちら

エンジンラインナップはノアヴォクと同様、2リッター直4と1.8リッターハイブリッドの2種類

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド/エンジンルームトヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ガソリンモデル/エンジンルーム

エンジンは「2リッター直列4気筒エンジン」と、1.8リッターをベースにした「ハイブリッド」を設定。

ノア&ヴォクシーは、2リッターモデルにエアロパーツを装着してボディをワイド化したグレードも用意するが、エスクァイアは5ナンバーサイズの標準ボディのみになる。

エアロパーツを装着した3ナンバーサイズのグレードは選べない。ラグジュアリー指向で統一したと考えれば良い。

グレード構成は、2リッターのノーマルエンジン、ハイブリッドともに「Xi」と上級の「Gi」という2種類の構成だ。

シートの配列は、ハイブリッドでは2列目がセパレートになる7人乗りのみだが、2リッターエンジン搭載車は、7人乗りと2列目がベンチタイプになる8人乗りを用意した。そして2リッターエンジン搭載車には前輪駆動の2WDのほかに4WDも設定している。

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)

車両価格は、2リッターエンジンを積んだ7人乗りのXiが「262万7,285円」、7人乗りのGiが19万6,143円高い「282万3,428円」になる。そしてハイブリッドのGiは、2リッターのGiより38万572円高い「320万4,000円」だ。XiとGiの価格差は、装備の違いを考えると妥当だろう。どちらか片方のグレードを戦略的に割安にしていることはない。

ただし右側スライドドアの電動機能、ノーマルエンジンを積んだXiのスマートエントリーなどは、メーカーオプションでも装着できる。

車間距離制御の機能がないクルーズコントロール、ナノイーエアコンなどに魅力を感じない場合は、Xiを選んで必要な実用装備をオプションで加えると良いだろう。

注意したいのは「オートマチックハイビーム」で、ノーマルエンジンのGiのみに標準装着される。同じGiでもハイブリッドには装着されない。ノーマルエンジンに対するハイブリッドの価格上昇は、装備の違いを補正すると約34万円になる。ノア&ヴォクシーの場合とほぼ同じだ。

ちなみにカローラアクシオ&フィールダーは、1.5リッターのノーマルエンジンとハイブリッドの実質価格差が約40万円になる。エスクァイア、ノア&ヴォクシーのハイブリッドは、排気量が1.8リッターに下がることもあって少し割安に抑えた。

ノア・ヴォクに高い質感と豊富な装備を求める方へ、エスクァイアはぴったりの選択肢

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド/大きな「T字」構えのフロントグリルが特徴トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド

JC08モード燃費は、2リッターのノーマルエンジンが「16km/L」、ハイブリッドが「23.8km/L」で、ノア&ヴォクシーと等しい。

そこでレギュラーガソリンの価格が1リッター当たり165円、実用燃費がJC08モードの85%として計算すると、1km当たりの燃料代はノーマルエンジンが12.1円、ハイブリッドは8.2円になる。1万kmなら約4万円の差額だ。

グレードの選択によってエコカー減税に違いが生じる場合もあるが、34万円の実質差額が燃料代の差額で取り戻せるのは、8~9万kmを走った頃だろう。1年間に1.5万km以上を走るユーザーなら、ハイブリッドを選ぶ価値も強まる。走行距離に応じて選び分けたい。

ならばエスクァイアとノア&ヴォクシーの損得勘定はどうなるか。

エスクァイアでは全車がアルミホイールを装着するなど、全般的に装備を充実させている。この点を踏まえると、エスクァイアGi(7人乗り/282万3,428円)とヴォクシーV(7人乗り/267万4,285円)が比べやすい。エスクァイアGiが14万9,143円高いが、右側のスライドドアに電動機能が備わり、運転席と助手席の快適温熱シート、スーパーUVカットガラスなども加わる。こういった装備の違いで約15万円の差額の内、11万円程度は埋まるから、残りの約4万円が、エスクァイアの質感を高めた対価と考えれば良い。

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)ハイブリッド

なので「ノア&ヴォクシーが欲しいが、内外装の質感と装備レベルをもう少し高めたい」と思った時に、エスクァイアはピッタリの選択肢になる。

特にスーパーUVカットガラス、快適温熱シートは、ノア&ヴォクシーではハイブリッドの最上級グレードでないと選べない。エスクァイアには上級装備を選びやすいメリットもある。

以上のようにエスクァイアは、既存の装備については選択の自由度を広げたが、衝突回避の安全運転支援機能(いわゆる「自動ブレーキ」など)は依然として用意されていない。また、トヨタのハイブリッドでお馴染みになった100V/1500Wの電源コンセントの設定もない。

前者は開発途上の段階にあり、後者はユニットを搭載するスペースを確保しにくいために装着されないが、いずれもニーズの高い装備とあって早い時期に設定して欲しい。

ノアとヴォクシーの販売台数を合計すると、現時点でも小型&普通車で最上位のアクアやフィットに迫る。なので今後「ノア+ヴォクシー+エスクァイア」の3姉妹車を合計すれば、軽自動車のタントなども追い抜いて国内販売のナンバーワンになることも考えられる。

それだけに安全装備の充実、災害時に役立つ電力供給機能の確保などが重要になるだろう。数多く売れるクルマは、世の中に与える影響も大きく、良心的な開発姿勢が求められる。

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)モデリスタ仕様トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)モデリスタ仕様トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)モデリスタ仕様トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)TRD仕様トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」(ESQUIRE)TRD仕様

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」グレードラインナップ

-ハイブリッド-

Gi:3,204,000円

Xi:3,043,543円

-ガソリン-

Gi(7人乗り):[2WD] 2,823,428円/[4WD] 3,029,142円

Gi(8人乗り):[2WD] 2,792,571円/[4WD] 2,998,285円

Xi(7人乗り):[2WD] 2,622,857円/[4WD] 2,828,571円

Xi(8人乗り):[2WD] 2,592,000円/[4WD] 2,797,714円

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」ハイブリッドモデル 主要スペック

全長×全幅×全高:4,695×1,695×1,825mm/ホイールベース:2,850mm/最低地上高:160mm/最小回転半径:5.5m/燃費:23.8km/L/搭載エンジン:1.8リッター直4DOHC 2ZR-FXE/最高出力 [エンジン]:73kW(99PS)5,200rpm/最大トルク [エンジン]:142N・m(14.5kg・m)4,000rpm/最高出力 [モーター]:60kW(82PS)/最大トルク [モーター]:207N・m(21.1kg・m)/動力用主電池:ニッケル水素電池

トヨタ 新型ミニバン「エスクァイア」ガソリンモデル 主要スペック

全長×全幅×全高:4,695×1,695×1,825mm/ホイールベース:2,850mm/最低地上高:160mm/最小回転半径:5.5m/燃費:16.0km/L/搭載エンジン:2リッター直4DOHC 3ZR-FAE/最高出力:112kW(152PS)6,100rpm/最大トルク:193N・m(19.7kg・m)3,800rpm

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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