トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル]公道試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)

トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル]公道試乗レポート/渡辺陽一郎
トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル]公道試乗レポート/渡辺陽一郎 トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル]公道試乗レポート/渡辺陽一郎 トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル]公道試乗レポート/渡辺陽一郎 トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル] トヨタ 新型 クラウン(14代目)「ハイブリッド アスリートG」[ボディカラー:プレシャスシルバー] トヨタ クラウン(14代目)「ハイブリッド アスリートG」[ボディカラー:プレシャスシルバー] トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」 トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」 トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」 トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」 トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」 画像ギャラリーはこちら

ロイヤルとアスリート、選ぶべきはどっちだ!?

トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」試乗レポート7トヨタ クラウン「ハイブリッド ロイヤルサルーン」試乗レポート2

高級車にとって気になる居住性は、Lサイズのセダンとあって前後席ともに快適。ボリューム感のある座り心地は、多彩なシートアレンジとの両立を求められるミニバンとは違うところだ。

現行型になって着座位置が10mm下がり、リアシートは腰が少し落ち込む。その分だけ座面の前方を持ち上げたので、大腿部は離れにくい。このシート形状だと、膝の裏側を押された感覚に陥りやすいが、クラウンは適度に柔軟に仕上げて座りやすくした。

グレードは好みに応じて選べば良いが、最廉価の「ロイヤル」と「アスリート」には、フロントシートの電動調節機能やカーナビが付かない。469万円の「ロイヤルサルーン」、あるいは「アスリートS」が買い得だ。

この2車を比べると、価格は同じでもアスリートSが少し割安。前述のAVSに加えて、17インチアルミホイール、リアバンパースポイラーなども加わるからだ。ロイヤルサルーンにもトランクフードのイージークローザー(半ドア状態から自動的に閉まる機能)が付くが、一般的にはアスリートSが買い得に感じるだろう。

また、最上級の「ロイヤルサルーンG」(536万円)と「アスリートG」(543万円)を比べると、価格はロイヤルサルーンGが7万円安いが、アスリートGと違って本革シートが装着されない。装備の違いを考慮しても、ロイヤルサルーンに対して同Gは20万円前後は割高だ。リアシートの電動調節機能などが欲しい時は、ロイヤルサルーンに14万円弱のリアコンフォートパッケージを加えるのが良い。

トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」運転席周りトヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」メーター周りトヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」HDDナビゲーションシステム+トヨタマルチオペレーションタッチ(5インチ)トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」トヨタマルチオペレーションタッチ(エアコン・左右独立温度調整等)トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」トヨタマルチオペレーションタッチ(走行制御モード・スポーツモード)

2.5リッターV6モデルとの実質的な価格差30万円弱は3、4年で取り返せる!

トヨタ クラウン「ハイブリッド ロイヤルサルーン」トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」

それにしても、低重心の高剛性ボディに基づく優れた走行安定性と快適な乗り心地の両立は、空間効率の高いミニバンやコンパクトカーが台頭する今でも、セダンの色褪せない魅力になっている。クラウンハイブリッドは燃費性能も優れ、エコロジーの流れにも沿う。

エコは損得勘定では語れないが、2.5リッターのノーマルエンジン仕様とハイブリッドの価格差は、装備の違いを差し引けば約50万円。さらにノーマルエンジン仕様は減税の対象外、ハイブリッドは免税だから、税額でもロイヤルサルーン同士の比較で約22万円の差が付く。実質差額は約28万円だ。

そこで実用燃費をJC08モード数値の85%、ガソリン価格を1リッター当たり145円として計算すれば、4万km以内で28万円の実質差額を埋められる。となれば、販売総数の70%をハイブリッドが占めるのも納得できる。

トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」ゴルフバッグを収納してみせる(ホントはゴルフをやらない)渡辺陽一郎さん(笑)トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」ハイブリッドモデルながらトランクにはゴルフバッグ4個を収納トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」リアシートトヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」フロントシートトヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」インパネ周り

ハイブリッドモデル以外にもせめてアイドリングストップ機構を

トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」を試乗した渡辺陽一郎さんトヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」

むしろ今後の課題はノーマルエンジン仕様だ。エコカー減税のベースになる平成27年度燃費基準は、車両重量に対して排気量の小さな車種が有利。逆のパターンになるクラウンのノーマルエンジン車をエコカー減税に該当させるのは難しいが、せめてアイドリングストップ機能は付けるべきだろう。排気量の大きな車種ほど、アイドリング時の燃料浪費も多いからだ。

現時点では、アイドリングストップを装着した車両は、すべてエコカー減税車だ。減税対象には入らないのに、アイドリングストップを装着している国産乗用車は皆無になる。また、アイドリングストップのオプション設定も、減税率を高めることを目的にしている。

例えばトヨタのプチバン、ポルテ&スペイドの「1.3X」は、アイドリングストップを標準装着した。装着しないとエコカー減税に該当しないからだ。一方、同じ1.3リッターエンジンを搭載するカローラアクシオ「1.3X」は、オプションでもアイドリングストップを選べない。もともと50%の減税対象に入っていて、燃費数値と車両重量のバランスから、アイドリングストップを付けても減税率が75%にはならないからだ。そしてカローラアクシオの1.5リッターモデルは、50%の減税率を75%に引き上げられるため、アイドリングストップをオプションで設けている。

トヨタに限らず今の日本車では、アイドリングストップはエコカー減税を達成したり、減税率を高めるための手段になっている。

言うまでもなく、減税がどうであれ、無駄なアイドリングを控えるのが本来の趣旨だ。クラウンは、この本末転倒の矛盾を改めたらどうだろう。減税とは無関係に、アイドリングストップを装着する。これもまた「ゼロクラウンを超えた」今日のクラウンに求められる大切な使命だと思う。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:和田清志]

TOYOTA CROWN HYBRID ATHLETE G[FR] 主要諸元

トヨタ クラウン「ハイブリッド アスリートG」

全長x全幅x全高:4895x1800x1450mm/ホイールベース:2850mm/乗車定員:5名/エンジン種類:直列4気筒DOHCガソリンエンジン[2AR-FSE型]/総排気量:2493cc/エンジン最高出力:178ps(131kW)/6000rpm/エンジン最大トルク:22.5kg-m(221N・m)/4200-4800rpm/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/トランスミッション:電気式無段変速機/モーター形式:1KM/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:143ps(105kW)/最大トルク:30.6kgf・m(300N・m)/動力用主電池:ニッケル水素電池/電池容量:6.5Ah/燃料消費率:23.2km/L(JC08モード)/車両本体価格:543.0万円[消費税込み]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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