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試乗レポート 2013/9/25 19:29

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)

関連: トヨタ クラウンマジェスタ Text: 渡辺 陽一郎 Photo: 和田清志
トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]試乗レポート/渡辺陽一郎

走行安定性に不足はなく、歴代クラウンユーザーには歓迎されそう

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

豪華さ満点のクラウンマジェスタ、運転感覚はどうだろう。

発進させると、まず始めに気付いたのが優れた静粛性だ。駆動用電池が十分に充電されていれば、発進時はモーターのみ。その後にエンジンが始動するが、通常の加速ではエンジンがかかった事にほとんど気付かない。先代型のV型8気筒エンジンと違ってV型6気筒のハイブリッドだが、静粛性は同レベルと考えて良い。アクセルペダルを深く踏み込み、エンジン回転が上昇した時にV6だと気付く程度だ。

動力性能も十分。エンジン自体が3.5リッターだから余裕があり、軽くアクセルペダルを踏み増した時には、反応の素早いモーターが即座に駆動力を支援する。市街地から高速道路まで、高級セダンのパワフルな加速感を味わえた。

乗り心地は前後席ともに快適。試乗車は18インチタイヤ(225/45R18)を装着していたが、銘柄は高級指向のダンロップ・ヴューロという事もあり、硬さはあまり気にならない。重厚感があってマジェスタらしい乗り味だ。長いホイールベースも影響しており、ボディ剛性の見直しもあって先代型の快適性に磨きをかけた。

操舵に対する反応は、少し緩い印象もあってスポーティーではないが馴染みやすい。欧州車のような正確性と骨太感は伴わないが、気軽に運転できてクラウンらしい。走行安定性にも不足はなく、特に歴代クラウンを乗り継いだユーザーには歓迎されそうだ。

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

先代マジェスタは全車にエアサスペンションを装着していたが、現行型にも電子制御式ショックアブソーバーが備わっているので、見劣りすることはないだろう。乗り心地を重視するなら、17インチタイヤを選ぶと良い。

むしろ注意したいのは安全装備。クラウンと同様、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステム(衝突回避の支援機能)はFバージョンに標準装着、標準仕様でもクリアランスソナーを含めて6万3000円で装着できるが、先代型に設定されていた後方プリクラッシュセーフティシステム、ステレオカメラまで用いた上級版は用意されない。歩行者の認識機能も含め、もう一歩、安全装備を充実させて欲しい。

今一度、トヨタこそが“日本で最高のブランド”という再認識を

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

車両価格は標準仕様が610万円、Fバージョンが670万円になる。

ノーマルタイプの3.5リッターエンジンを積んだクラウンアスリートと比較すると、装備の違いを差し引いて、約60万円でハイブリッドシステムが加わり、ボディが75mm拡大されている。

ちなみにレクサスGSの350と450hを比較すると、ハイブリッド化の換算額は実質105万円に達する。マジェスタが60万円で「ハイブリッド化+ストレッチ化」されるなら、買い得ともいえそうだ。

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

減税額の違いも見逃せない。3.5リッターのノーマルエンジンを積んだクラウンアスリートは、エコカー減税の対象外だから、購入時の自動車取得税と同重量税を合計すれば約26万円になる。60万円の実質差額が、約34万円に縮まるわけだ。

そして実用燃費をJC08モードの85%、プレミアムガソリン(マジェスタはハイブリッドだがレギュラーではない)の価格を1リッター当たり170円とすれば、1kmの走行に要するガソリン代はマジェスタが11円、アスリートの3.5リッターモデルは21円だ。なので3.4万kmの走行で実質価格差を埋められる。

実際には、アスリートの3.5リッターモデルにはノーマルエンジンらしいダイナミックな加速感があり、趣味性の強いクルマでもあるから損得勘定だけで選択は決められない。

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

それでも「クラウンファミリー」において、マジェスタがロイヤルやアスリートと並列に近い関係になったとはいえるだろう。開発者は「トップ・オブ・クラウン」と語ったが、外観や内装には従来型ほど特化された印象がなく、トップ、即ち社長とか上司というよりも先輩のイメージだ。

となれば、マジェスタにもロイヤル的なラグジュアリー指向、アスリート的なスポーティー指向があって良いと思う。マジェスタにはブラックの内装も用意されてアスリート風の演出も可能だが、さらにエアロパーツで決めたタイプが欲しいと思った。

そしてもうひとつ、マジェスタが比較的身近な存在になったなら、レクサスLSをもう少し購入のしやすい位置付けにしないと、従来のマジェスタのポジションが空洞化する。レクサスの店舗展開を見ると、いまだに青森、新潟、山形県など、1県に1店舗しか出店されていない地域が多い。

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

海外市場ではカローラなどの低価格車からトヨタ車が広まったが、日本は1955年に登場した初代クラウンから普及を開始した。だから今でもクラウンが新型になれば、内容を見ないで注文するユーザーが多い。トヨタとクラウン、トヨタ店と担当セールスマンに万全の信頼を置くから、車両を見ないで注文を入れるのだ。トヨタこそが日本で最高のブランドであることを、今のトヨタは忘れてしまったかのようだ。

この意味でマジェスタをクラウンから引き離す戦略には十分な意味があったが、新型ではロイヤルとアスリートに近付けた。となればレクサスの変革を図り、LSをかつてのセルシオのように、多くのトヨタファンから愛されるクルマに改めるべきだろう。店舗数を増やす、あるいはトヨタ店の一角にレクサスコーナーを設置するなど、販売面における柔軟性も必要。日本は北米でも、中国でもないのだから。

マジェスタのフルモデルチェンジは、そこまで視野に入れたトヨタの高級セダン全体を進化させる始まりであって欲しい。

TOYOTA CROWN MAJESTA “F version”[FR] 主要諸元

トヨタ 6代目クラウンマジェスタ[2013年フルモデルチェンジ]

全長x全幅x全高:4970x1800x1460mm/ホイールベース:2925mm/乗車定員:5名/エンジン種類:V型6気筒DOHC[2GR-FXE型]/総排気量:3456cc/エンジン最高出力:292ps(215kW)/6000rpm/エンジン最大トルク:36.1kg-m(354N・m)/4500pm/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/トランスミッション:電気式無段変速機/モーター形式:1KM/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:200ps(147kW)/最大トルク:28.0kgf・m(275N・m)/動力用主電池:ニッケル水素電池/電池容量:6.5Ah/燃料消費率:18.2km/L(JC08モード)/車両本体価格:670万円[消費税込み]

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