【ahead×オートックワン】-岡崎五朗のクルマでいきたい- トヨタ カローラ
- 筆者:
11代目のテーマは「扱いやすさ」
1966年の登場以来、日本のモータリゼーションを牽引してきたカローラ。と同時に、カローラは世界140ヵ国以上で販売されるグローバルカーでもあり、累計販売台数は4,000万台に達する。
しかし、国内でのカローラは、その役割を終えつつあるようにも見える。不動のベストセラーカーだったかつての勢いはすっかり影を潜めてしまった。
それでもまだ世界があるさ、と思うかもしれない。しかし国内で販売されるカローラは、先代から日本専用車種になっている。欧米やアジアで販売されているカローラは全幅が1760mmあり、日本のカローラとは成り立ちが全く異なる。
そんななか登場した11代目のカローラは、基本的にはキープコンセプトながら、カローラ史上初めて全長を短くしてきた。アクシオで50 、フィールダーで60㎜短くなり、最少回転半径も5.1mから4.9mへと小さくなった。
これは「大きくて扱いづらい」というオーナーの声に対応するためだそうだ。カローラオーナーの平均年齢は60歳を悠に超えている。彼らが求めているのは豪華さや立派さではなく、扱いやすさなのである。
ならばそこにとことんフォーカスしたクルマ造りをすることにこそカローラの存在意義はあるのではないか。開発陣はそう考えた。
まず、ドアミラーのドア付け化やフロントピラーの角度や形状の工夫によって死角を徹底的に排除。乗降性にもこだわった。もちろん、操作系の分かりやすさにも抜かりはない。まさに「クルマ版らくらくホン」である。
主力となる1.5リッターは少し遅れて発売されるため今回は1.3リッターと1.8リッターに試乗した。
1.8リッターには及第点が付くものの、1.3リッターモデルの静粛性と直進安定性は明らかに物足りない。1.3リッターではできれば高速道路には乗りたくないと感じた。
目の付け所はいい。しかし走りの仕上げがもう一歩。それが現段階における僕のカローラに対する評価だ。
車両本体価格:¥1,440,000(1.5X CVT 2WD)
全長×全幅×全高(mm):4,3605×1,695×1,460
車両重量:1,365kg
乗車定員:5人
エンジン: 直列4気筒DOHC
総排気量:1,496cc
最高出力:80kW(109ps)/6,000rpm
最大トルク:136Nm(13.9kgm)/4,800rpm
JC08モード燃費:20.0km/リッター
駆動方式:前輪駆動
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