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試乗レポート 2006/10/26 16:53

トヨタ カローラアクシオ 試乗レポート

関連: トヨタ カローラアクシオ Text: 河村 康彦 Photo: 原田淳
トヨタ カローラアクシオ 試乗レポート

徹底的に日本市場の状況を見据えた新型カローラセダン

日本を代表するグローバル・モデルとして、圧倒的な知名度の高さを誇ってきたトヨタ カローラ。初代モデルの誕生は1966年。すなわち、すでに丸40年の歴史があるのだから、知名度が高いのも当然ではある。そんな初代モデルから数えれば累計販売台数実に3000万台! 販売地域も世界140カ国以上を数えるという世界でも稀有なグローバル・ブランドであるカローラが、しかし「今度のモデルは日本専用」と耳にすれば誰もが驚くはず。

正確に記せば、“アクシオ”というサブネームを加えて日本で発売をする今度のセダンは、日本専用サイズとデザインの持ち主という事。「このカテゴリーのモデルにもサイズアップを求める傾向の強い欧米に対し、日本ではいまだ5ナンバーサイズへの拘りを捨て切れない人も多い」と、このあたりも“作り分け”を行うための大きな要因になったという。

ちなみに、典型的なファミリーセダンにも関わらず敢えてMT仕様を設定したのは、「高齢者を中心に『自分はどうしてもATには馴染めない』と、そんな声に応えての事」と言う。徹底的に日本市場の状況を見据えたのが、まずはこのモデルの特徴だ。

全グレードにリアビューモニターを標準装備

エンジンルームとトランクルームの存在をプロポーション上でも明確に示唆する、いわゆる典型的な3BOXデザインの採用――そんな手法をベースに成立するカローラアクシオのエクステリアデザインを、それ以前のモデルよりもキャビン部分をグッと前進させ、テールデッキ部分も短く切り詰めた“モノフォルム”調プロポーションをアピールした従来型よりも「むしろよりカローラらしい」と評する人も少なくないのではないだろうか。

率直に言って、そんなこのクルマのスタイリングはいかにも団塊世代のオジ様がたを意識したもの、というデザイン。同じカローラ・シリーズでもよりアクティブな若い世代は、ステーションワゴンの『フィールダー』でカバーをしようという戦略なのだ。

左右対称形が基本の、ちょっとどこかで見たことあるような(?)デザインのダッシュボードに代表されるインテリアも、決して個性的とは言えない一方で奇をてらわない事によるちょっと保守的な作りが生む安心感が売り物という印象。全グレードにリアビュー・モニターを標準装備としたのも、前述オジ様がたに対しての“大英断”と受け取れる。

走りの総合ポテンシャルは侮れない高さ

決してハンドリングの機敏さやコーナリング・スピードの高さを誇るようなモデルとは言えないものの、実はカローラアクシオの走りの総合ポテンシャルは侮れない高さにある。意図的にコーナーを追い込んで行っても簡単には破綻をきたさない正確な舵の効きや、ロールは大きめでありながらも常に高い安定性を保つ操安性能に加え、電動アシスト式ながら自然な感覚を提供してくれるパワーステアリングやなかなか剛性感に富んだブレーキペダルのタッチなど、フィーリング面でもなかなか優れた“マン/マシン・インターフェース”性を実現させている点は見逃せない。そして、そんな感覚がトップ・グレードのモデルだけではなく、より価格の低い普及グレードにも共通するのも評価に値する。このあたりは「さすがは世界で培ってきた“カローラ技術”の集大成」という印象だ。

静粛性や乗り心地、居住空間の広さに関しては、率直なところ従来型から大きな進歩を遂げたとまでは感じられない。が、そもそもこれまでのモデルでもそうした点に何らの不満もなかったのが、カローラ・セダンというモデルでもあるのだ。

まさに「日本のファミリーセダンの完成形」

見た目の上質さや走りの性能、そしてその価格までを含んで考えると、カローラアクシオはまさに「日本のファミリーセダンの完成形」というフレーズを強く感じさせられる一台だ。もちろん、これ以上に豪華な装備やより高いスピード性能を有するセダンは日本にも数多く存在をする。が、基本的な機能性という観点からすればそうしたものはことごとく「この国では過剰なもの」と一刀両断を出来てしまいそうな事柄にすら思えてくる。そして、そんな“完成形”という状態に到達をしているからこそ、カローラ・セダンというモデルには「もはや後がない」という印象も付いて回る。もちろんトヨタもこのクルマが置かれるそうした状況は先刻承知で、それゆえに『アクシオ』なるサブネームまでを考え出し、今後の新たなアプローチの手法を模索中という事だろう。

しかしついに日本専用モデル化を決断しグローバル・モデルとの決別を図るという手段を選んだ今、トヨタはすでにこと「カローラのセダン」での新たな顧客層の開拓は、半ば諦めたとも解釈が出来る。かくなる上は、日本の古来からのユーザーと徹底的に付き合って行こう、と、そんな販売戦略への転換すらも感じられるカローラアクシオなのである。

筆者: 河村 康彦

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