おとぎ話のお菓子の家のようにスイーツをモチーフにした「甘車」、車体を花で飾った「華車」、そしてヒトデやサンゴ、投網にイルカと海にまつわる装飾が度肝を抜いた「海車」などなど、奇抜で変わったカスタマイズカーを毎年東京オートサロンに展示するトヨタ自動車大学校。
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東京オートサロン2018にも期待通り?に、いや期待以上の出来上がりのクルマを持ち込んでくれた。そのクルマが、「JPN CAR(ジャパンカー)」だ。
今年のテーマは、「日本の和」。ベースとなった1999年式の7代目セリカ(T230型)の車体は市松模様があしらわれ、さらにその上に富士山や和柄が覆っている。
ボンネットのセンターには螺鈿(らでん)細工のような金魚が泳ぎ、屋根の上にはなんとトヨタマークを冠したお城まで載っているのだから驚きだ。ホイールも既製品の桜のデザインのタイプをうまく組み合わせている。
車内もカーペットが竹、シートカバーが本物の着物生地、天井には花火を表現した電飾が輝くなど、日本らしさを全面に押し出している。
>>ルーフにトヨタ城がそびえ立つ!?セリカのJPN CARを写真で見る
これらの装飾の多くが、実際にクルマの修理や整備、板金などに使用する材料で作られている。たとえば市松模様は印刷したフィルムを貼るのではなく、マスキングテープと塗装で、金魚は「金魚のカタ」に下地処理で使用するプラサフを塗って表現。ボディサイドの富士山も補修用のパテで雪の模様を立体的に描いており、高い技術で表現されていることがわかる。
同校によればこれまでの展示車よりも実務的な作り方を目指したとのことだ。
トヨタ自動車大学校では、ジャパンカーのような注目を集めるテーマ車を展示する一方で毎年レストア車も並べており、今年は初代カローラ レビン(TE27)がその対象になった。
東京オートサロン2017では2代目スターレット(KP61)をストリートスタイルでレストアしており、単なるレストアではなくモディファイ、カスタマイズもされることが特徴だ。
TE27を徹底的にリフレッシュした今年は、「走り屋仕様」がテーマとなっている。
一見TE27らしい懐かしいオレンジ色を塗ったのかと思いきや、実は現代のクルマであるトヨタ 86の特別仕様車のボディカラー「ソーラーオレンジ」だった。(そのためよく見るとメタリックオレンジなのだ)
オーバーフェンダーもノーマルのサイズよりも幅が大きくなっていたりと、さりげなくオリジナルカスタマイズになっているところが心憎い。
>>走り屋仕様にレストアされた初代カローラレビンの写真を見る
[Text:遠藤イヅル/Photo:島村栄二]
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