autoc-one.jp 記事・レポート 特集 自動車評論家コラム 新型カムリがスマホ化!? トヨタが最新コネクテッドカー技術を搭載へ

自動車評論家コラム 2017/5/31 21:07

新型カムリがスマホ化!? トヨタが最新コネクテッドカー技術を搭載へ

新型カムリがスマホ化!? トヨタが最新コネクテッドカー技術を搭載へ

今年夏、北米仕様の新型カムリやレクサスから世界各地で順次搭載

リナックス協会が開催した『オートモーティブ・グレード・リナックス(AGL)サミット』

ついに、量産化が決定した。しかも搭載されるのはトヨタの世界戦略車、新型カムリからだ!

トヨタは、リナックス協会が開催した『オートモーティブ・グレード・リナックス(AGL)サミット』(2017年5月31日~6月2日、於:カンファレンスセンター東京有明)で、AGLベースのインフォテインメントプラットフォームを2017年夏に北米で発売されるカムリを筆頭に、レクサスなどに順次搭載することを発表した。

日本でも今夏、新型カムリが発売されるが、AGLの搭載についてトヨタ関係者は「北米で先行し、随時各国での搭載を考慮している」と語っており、日本の新型カムリでの搭載も視野に入っていることを明らかにした。

また、別のトヨタ関係者はレクサスへの搭載について「新しい技術は高級車から導入するというのが、トヨタの王道」と説明した。

本サイトを含めたネット上では、新型カムリに関する情報への興味が極めて高いため、トヨタの最新コネクテッドカー技術が搭載されることで、新型カムリに対する関心はさらに高まる可能性がある。

>>トヨタの挑戦!新型カムリを写真でチェック(画像41枚)

AGLとは、リナックス協会とは何か?

リナックス協会が開催した『オートモーティブ・グレード・リナックス(AGL)サミット』リナックス協会が開催した『オートモーティブ・グレード・リナックス(AGL)サミット』

一般ユーザーにとって、AGLという言葉は聞き慣れないはずだ。

なぜならば、AGLは自動車メーカーにとって電子領域の開発で重要視される技術であるため、筆者の予想としては日本版の新型カムリの商品カタログでも、AGLに関する記載はないと思う。

しかし、一般ユーザーにとって、AGLの恩恵は計り知れない。端的に言えば、車載アプリがスマホのアプリの様に、短期間で書き換えることができるようになる。

ではここで、「AGLとは何か?」を説明したい。

AGLとは、車載器で『インフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)を融合させた”インフォテインメント”』について、自動車メーカー、自動車部品メーカー、電機メーカー、半導体メーカーなど自動車産業に直接かかわる約100社が参画する”オープンソース”を協議する組織体だ。その母体が、リナックス協会だ。

では、リナックス協会とは何か?

リナックス協会とは、スマホのアンドロイドフォンに使用されているソフトウエアを構成するコードなどの基本的なルールを普及させるための非営利団体である。

では、どうしてAGLがリナックス協会と組んだのか?

そのきっかけは、Google(現在の親会社はアルファベット)がリナックスをベースに独自開発したOS(オペレーティング・システム)のアンドロイドを、カーナビや音響システムなどの車載器で事実上の標準化であるデファクトスタンダードを狙う動きを活発化させたからだ。

そもそもアンドロイドは、携帯電話やスマートフォンなど通信端末向けとして開発されたが、これをクルマ向けに使うことになると、ソフトウエアのプログラミングルール作りはグーグルが主導権を握ることになる。

これに対して、自動車メーカーが主体となって自動車向けとした最適なインフォテイメント系のソフトウエア開発を進めようとするのが、AGL発足の意義である。

>>【関連記事】車載ソフトウェア開発でトヨタが勝負をかける「AGL」とは?

デモ機では、レクサスRX450hに搭載

リナックス協会が開催した『オートモーティブ・グレード・リナックス(AGL)サミット』リナックス協会が開催した『オートモーティブ・グレード・リナックス(AGL)サミット』

AGLは2010年から設立の議論に入り、量産化に向けた具体的な要件仕様書を発表したのが2015年6月だ。その後、開発者がAGLのサイトからダウンロードできる、プログラミングコードのUCB(ユニファイド・コード・ベース)は、2016年1月、同年7月、そして同年12月と半年毎にアップデートされている。

今回、トヨタの先行開発部門が持ち込んだレクサスRX450hは、UCB3.0を仮に搭載したプロトタイプだ。同車内には、量産型のダッシュボードの他、大型のディスプレイを装着し、その中で各種のアプリ操作を体験するデモンストレーションを行った。

システムとしては、車載されている各種のECU(演算処理装置)を連携させている通信網のCAN(コントローラー・エリア・ネットワーク)からUSBポートを経て、AGLのUCB3.0の設計内容を組み込んだ上で、ルネサスエレクトロニクス製品のマイコン「R-Car M3」を通じて車載アプリを作動させている。

今後、廉価なトヨタ車にAGLを搭載する場合、マイコンも廉価版で対応し、車載アプリの内容を限定的にするなどの工夫が必要となる。

急速な時代変化に、AGLはどう対応していくのか?

今回の発表は、AGLサミットの初日基調講演の中で最初に行われ、その後に報道陣向けの記者会見及び意見交換会が実施された。

その席で、筆者はAGLのエグゼクティブディレクターのダン・カーティ氏に対して、次のような質問をした。

「デファクトスタンダードの考え方についてお聞きしたい。AGLは元々、IVI(イン・ヴィークル・インフォテイメント)の領域で、オープンソースによるデファクトスタンダードを協議してきたが、最近は高度運転支援や自動運転へも活動領域を広げることを表明している。一方で、米半導体メーカーのエヌビディアやインテルなどは、ディープラーニングなど人工知能を活用した自動運転技術で、個別企業によるデファクトスタンダードを狙っている。こうした業界の動きをどう見ているのか?」

これに対して、カーティ氏はIVIにおけるAGLの技術的な適合性の柔軟性を強調した後、「自動運転などは、現在のAGLの枠組みとは別の協議となる」と語った。また、同席したトヨタ関係者も「現時点で、トヨタとしてAGLを自動運転でも採用することは協議されていない」と説明した。

こうした半導体メーカーの動きの他、車載器OSでは競合となるアンドロイドについて、今年5月のグーグルの開発者会議ではアウディとボルボが車載アンドロイドを採用することを発表している。

現在、AGLに加盟している自動車メーカーは、AGLの中心的な役割を持つトヨタの他、ホンダ、日産、マツダ、スズキ、スバル、三菱、フォード、ランドローバー・ジャガー、そしてメルセデスの合計10社。

自動車産業界では今、自動運転化、コネクテッド化、電動化の大波が押し寄せている中、AGLが今度、どのような動きを見せるのかが、実に興味深い。

[Text:桃田健史]

>>【関連記事】トヨタ vs Google 車載OS開発で自動車産業「最後の砦」

筆者: 桃田 健史

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