トヨタ カムリハイブリッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二/オートックワン編集部
「セダンが売れなくなった」のではなく「セダンを売れないクルマにした」が正しい
従来型のカムリは、日本では印象の薄いクルマだった。
1980年にセリカカムリの名称で登場。2代目からは前輪駆動になり、94年に投入された5代目までは車内の広い5ナンバーセダンとして堅実に売れていた。
ところが、96年登場の6代目で3ナンバーサイズに発展。その後、2006年に登場した先代型の8代目まで、販売不振に陥っている。印象が薄く、クルマを選ぶ時の候補に入りにくいクルマだった。3ナンバーサイズは、販売不振の理由のひとつに過ぎない。
一番の要因は、96年登場の6代目以降、カムリが北米向けの実用セダンになったことだ。大柄なボディと前輪駆動の組み合わせで車内はとても広いが、フロントマスクを含めて内外装は地味。
エンジンは直列4気筒が主力になる。北米では空間効率の優れた実用的な3ナンバーセダンが求められるが、日本は違う。実用重視なら5ナンバーサイズ。3ナンバーセダンはV型6気筒や8気筒エンジンを搭載し、内外装を豪華にした高級車でないと通用しにくい。
従って国内におけるセダンの販売状況は、カローラアクシオ、プレミオ&アリオンといった5ナンバー車と、クラウン、マークXという上級指向の3ナンバー車に二極分化されている。
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