C-HRのデザインも変わる? 保安基準の改正で日本車がカッコ良くなる!?

C-HRのデザインも変わる? 保安基準の改正で日本車がカッコ良くなる!?
トヨタ C-HR トヨタ 新型アクア TRD 日産ノート トヨタ 新型アクア TRD トヨタ C-HR トヨタヴィッツと筆者の渡辺陽一郎 トヨタ C-HR 画像ギャラリーはこちら

保安基準の改正で変わるクルマの外観デザイン

ホイールアーチの後端に魚の背ビレのような突起を装着したトヨタ C-HR

クルマのデザインや機能に大きな影響を与えるのが「道路運送車両の保安基準」だ。安全な運行を目的とした基準だが、そこに対応するために、クルマの外観がカッコ悪くなったり機能が制限されることもある。

2017年6月22日に保安基準の一部が改正され、自由度が少し広がった。その内容は車両の「回転部分の突出禁止規定の見直し」と「排気管の開口方向要件の廃止」というものだ。そこで国土交通省を取材した。

まず「回転部分の突出禁止規定の見直し」だが、ここで述べている「回転部分」とは、ホイールとタイヤのことを示している。ホイールとタイヤがフェンダーからハミ出すことは従来と同じく禁止されるが、タイヤが収まるホイールアーチの後端部分に装着されたホイールガード(タイヤをカバーするように取り付けられる樹脂製の小さなパーツ)は必要がなくなる。

最近は輸入車を中心に、ボディの後方を左右方向から絞り込んだデザインが増えており、ホイールガードを取り付ける車種も多い。日本車でもトヨタ C-HRは、ボディ後方の絞り込みが大きいので、通称「ホイールガード要件」を満たす目的でホイールアーチの後端に魚の背ビレのような突起を装着したという。ボディ形状にもよるが、今後はこういったデザイン処理を施したり、ホイールガードを取り付ける必要が薄れるわけだ。

国土交通省によると「ホイールガード要件」を見直した理由は、国際協調に基づいている。日本は1958年に「国連の車両・装置等の型式認定相互承認協定」に加盟し、1999年には「国連の車両等の世界技術規則協定」にも加盟している。海外で販売されるクルマや輸入車と足並みをそろえることも視野に入れ、「回転部分の突出禁止規定の見直し」を行った。

ホイールガードは車種によって無理に取り付けた印象が伴い、見栄えが良くない。C-HRの背ビレを思わせる突起も同様だ。「回転部分の突出禁止規定の見直し」が図られたことで、その車種本来のデザインに仕上げることができる。フェンダーのホイールアーチからタイヤが大きくハミ出すような危険を伴うデザインは、従来と同様に違法だが、主にリアビューの魅力は高まるだろう。

またホイールガードの装着には手間を含めてコストを要するため、少額ではあるがコストダウンにも繋がる。

>>奇抜な輸入車デザインもようやく日本車でもできる!(画像13枚)

マフラーの向きも変更可能!?

トヨタ 新型アクア TRD

「排気管の開口方向要件の廃止」も行われた。従来のマフラーは、後ろ向きと下向きに限られ(上向きは必然性が乏しい)、左向きと右向きは不可とされていた。マフラーを上から見た時の角度(傾き方)も、車両の前後方向に対して30度以下に制限されていた。

これが今回の改正を経て開口方向の要件が廃止されたので、左右に向けることも可能になった。

国土交通省によると、最近は排出ガス規制の影響もあってクルマの排出ガスがクリーンになっており、マフラーを左側に向けて装着しても歩行者に迷惑をかけるような不都合はなくなったから廃止したという。つまり安全や公害の観点から、横向きを規制する根拠が消滅したので、マフラーの開口方向を定める必要がなくなった。

なお上記2点の改正は、2017年6月22日以降、自動車の製造された日を問わず運用される。少し対応が遅かった印象も受けるが、クルマのデザインの多様化、環境性能の向上に即した改正といえるだろう。

[Text:渡辺陽一郎]

>>奇抜な輸入車デザインもようやく日本車でもできる!(画像13枚)

参考:トヨタC-HR開発責任者/古場博之氏インタビュー

http://toyota.jp/c-hr/cp/hen-ai/23/03.html#chapter06

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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