トヨタ ブレイド 試乗レポート

トヨタ ブレイド 試乗レポート
画像ギャラリーはこちら

ブレイドのライバルは欧州の上級モデル

「ブレイド」というのは英語で「刃(やいば)」の意味。「人を魅了する鋭さを持ったクルマ」というイメージで名付けられた。スタイリングを見てもわかるように、昨年10月にデビューした「オーリス」と共通のボディをベースにしている。

とはいっても、オーリスは1.5Lと1.8Lエンジンのファミリーモデルなのに対し、ブレイドは2.4Lという大排気量+CVT+7速スポーツシーケンシャルシフトを備えた上級モデルという位置付けだ。

オーリスがプジョー307やフォードフォーカス、ルノーメガーヌ、VWゴルフの下級モデルをライバルとしているのに対し、このブレイドはBMW120、ゴルフGTI、ミニクーパーなどの上級モデルをライバルにしている。それだけにエクステリア、インテリア、メカニズムはトヨタの最新ノウハウが投入されているのだ。

国産車にはない、独特の高級感

2ボックス5ドアという基本形状はオーリスと同じだが、全長は4260mmで、これはオーリスよりも40mm長い。フロントマスクが立体的になったことと、リアのバンパー形状の変更でサイズアップしている。とくにフロントマスクはグリル左右の太いキャラクターラインが力強い印象になった。

リアもテールランプが横長になり、点灯時に2本の横ラインが強調されるように光る演出が新しい。ルーフスポイラーにLEDハイマウントストップランプが内蔵された。

ボディカラーは7色だがいずれも塗装の膜厚をアップしたことで、上級車らしい光沢のある質感だ。コンパクトな上級車というイメージが伝わってくる。

インテリアもシートは本革+スウェード調人工皮革アルカンタラを組み合わせた。さらにメーターフードやグローブボックスのフタ、ドア内張りもアルカンタラを配した。その雰囲気はこれまでの国産車にはない、独特の高級感だ。

高回転でのレスポンスはスポーティハッチバックのイメージ

エンジンは4気筒DOHCの2.4L。エスティマやカムリなどに搭載されているエンジンと基本的には同じ。123kW(167ps)の出力と224N・m(22.8kg-m)のトルクを発生する。ミッションは無段変速CVTだがマニュアルシフトモードで7速シフトを楽しめる。

コンパクトなボディに2.4Lエンジンなので、動力性能は軽快。0→100km/hは8秒台で走りきる。3500回転から上のアクセルレスポンスのよさはスポーティハッチバックのイメージ。これなら大人4人が乗っても快適に走ることができる。一方、100km/h走行時のエンジン回転数はDレンジで1800回転と低く、高速燃費もかなりよい。

サスペンションはリアを新設計のダブルウィッシュボーンに代えたことで(オーリスはトーションビーム式)コーナーでの粘りがでた。ボディのロールは小さくはないがしなやか。この点でも上級車感がある。乗り心地はややかため。音に関してはCVTの金属音が若干気になった。

目指すは日本流の小さな高級車。ホットモデルも計画中?

ブレイドのメインユーザーは子育て終了世代だ。もうミニバンは必要ないし、大きなクルマも必要ない。といってもエンジンが非力なのは、走りに余裕がなくなるからイヤ、というユーザーに向けて開発された。その開発目的はほぼ達成しているといってよいだろう。

日本流の小さな高級車という新しいカテゴリーにチャレンジしたクルマだ。

車両価格もオーリスの1.8L、4WD、Sパッケージが229.95万円に対し、ブレイドのFF・標準グレードが224.7万円とオーバーラップする設定なので、買いやすさはある。

個人的には、このブレイド2.4Lにマニュアルミッションを設定してもらえば、ちょっとした2ボックススポーツモデルになりそう。ウワサによると、トヨタはこのブレイドにV6、3Lクラスのエンジンを組み合わせたホットモデルも計画中だとか。ゴルフR32やBMW130に対抗するスポーツモデルが出現すれば、久々にトヨタのスポーツモデルということになる。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ ブレイドの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ ブレイドのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ ブレイドの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ ブレイドの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ ブレイドのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる