トヨタ アリオン 試乗レポート
- 筆者: 御田 昌輝
- カメラマン:村西一海
平凡のイメージを払拭するトヨタの意欲作。
いつのころからか、多分バブル時代あたりからコロナ、カリーナは中庸、平凡なクルマと認知されてしまった。実はその中庸さが「いい所」ではあったのだが。上にマークII、下には世界のカローラが控えているから、つらいポジションではある。そこで今回のフルモデルチェンジではガラリとパッケージングを更新、ミニバンに抵抗のあるユーザーを取り込もうという作戦である。
テストドライブしたのはアリオンA20・Sパッケージ。2Lの直噴D-4エンジン搭載車でトランスミッションはスーパーCVT。112kw(152Ps) に対して車重は1・2トン強だからなかなか俊敏に走る。みかけよりも速いクルマである。このCVTは通常のトルクコンバーター式ATよりレスポンスが早く燃費も優れる。
フットワークは軽快というよりむしろいい意味で重厚な面があり、バランスがとれていると思う。Sパッケージといっても、変にとんがっていない点が開発者はわかってるな、という印象である。ステアリングホイールはやや小径の本革仕様でしっくりくる。インフォメーションも鋭すぎず鈍すぎず、の合格点があげられる。
ただし不満な点もある。まずブレーキペダルの剛性。ブレーキアシストがついているからヤワでいいということはない。制動距離はもちろんのことだが、踏みごたえ、タッチのいいペダルがほしいです。
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