トヨタマーケティングジャパン スポーツカーカルチャー推進グループ 喜馬克治 インタビュー(2/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
スポーツカーの存在を認めてもらうために
スポーツカーカルチャーとは何か?これが、最初の質問だ。
【喜馬克治】とくに深い意味をもたそうと思ったわけではありません。ただ、個人的にもスポーツカーは好きなので、こんな世の中でもスポーツカーの存在を認めてもらいたいと思いました。
トヨタが、スポーツカーを売らんがための文句やコンセプトを立てるのではなく、調べてみると10パーセント以上の人がスポーツカーを待望しており、その人たちが喜んでくれるカテゴリーとして、成熟した大人の人たちに、いろいろなスポーツカーの楽しみ方を生み出すきっかけとして、スポーツカーカルチャーは、私が作った造語です。
文化というように、重くとらえるのではなく、カルチャーと言うことによって、自分なりに意味をとらえてもらえるのではないかと考えたのです。
私が考えるスポーツカーカルチャーとは何か?と言えば、カルチャーとは、生活に密着した物の使い方として定着することととらえ、生活の中でスポーツカーが堪能できるシーンを次々に生み出せる実態そのものです。
たとえば「峠」といったとき、昔ながらの非合法な走りの場という概念ではなく、スポーツカーと峠を組み合わせることによって、大人の楽しみ方とか、日本のよさを再発見できる場として適しているのではないかというように、もっといい楽しみ方を見つけるためのベースとして峠をとらえています。たとえば、いいワインと食事を合わせるような。
とはいえ、スポーツカーカルチャーをどう読み取るかは、その人次第だと話す。
【喜馬克治】トヨタが何かを規定する言葉ではありません。どうとらえるかは、スポーツカーファンや我々次第であって、それを考えるきっかけとして、カルチャーということばを出したのです。
スポーツカーを楽しむライフスタイルみたいな言葉はありましたけれども、スポーツカーカルチャーという言葉はまだありませんでした。
それでも、文化という言葉は「そう簡単に使うものではない」と、時々おしかりを受けることもありますが…
この記事にコメントする