テスラモーターズ モデルS 量産型EVセダン試乗レポート/石井昌道(2/3)
- 筆者: 石井 昌道
自由度が高いというEVの特性を活かしたレイアウト
ロサンゼルスの海岸沿いのリゾートホテルで対面したモデルSは、ライバルに比べるとコンパクトに見えた。
寝かせたAピラーとなだらかなルーフラインによるクーペ風のスタイリッシュなフォルムがそう思わせるのだが、同時に室内空間があまり広くなさそうだという印象も受ける。
だが、ドアを開けて乗りこんでみると、前席も後席もスペースは十分。さらにプラス2の子供用シートを用意して7人乗りをも実現し、フロントボンネット下に第2のトランクを有しているのだから驚き。
エンジン車に比べると各コンポーネントのレイアウトの自由度が格段に高いEVゆえ、優れたスペース効率を誇っているのだ。
もっとも容積を必要とするのはバッテリーだが、テスラはロードスターのときからパソコン用の18650という乾電池サイズを採用しており、レイアウトは自由自在。これを床下に薄く広く敷き詰めている。スペース効率に優れるだけではなく、重量配分としても理想的だろう。
目を引くのはセンターコンソールの17インチ・タッチパネル
モデルSの初試乗には大きな期待を持っていたが、走り始める前からその先進的でユニークな雰囲気や装備に触れただけで虜になってしまった。
ドアノブはボディに埋め込まれていて出っ張りがないので最初は戸惑うが、手を触れるとスッとせり出してくる。
室内で目を引くのはセンターコンソールの17インチ・タッチパネル。
iPadを2枚並べたぐらいの巨大さで、カーナビ機能はもちろん、空調、オーディオ、車両セッティングなどのコントロールも司る。最近の高機能なプレミアムカーは大量のスイッチ類をどうにか上手くまとめようと苦労しているが、テスラはほとんどがタッチパネルに集約されているのでスマートなことこの上ない。
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