クルマもIT化へ!ソフトウェアダウンロードで簡単に自動運転車に!未来のカタチが現実に(1/3)

クルマもIT化へ!ソフトウェアダウンロードで簡単に自動運転車に!未来のカタチが現実に
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テスラ モデルS

私は電気自動車(EV)が好きではない。そう公言してきた。

そもそも日本では原子力発電で余った過剰電力をなんとか自動車に使えないかという魂胆で、東京電力がハイブリッドを持っていないスバルと三菱自動車を口説いてスタートした。そこに日産が乗っかったのがEVブームだ。自民党から民主党に政権が変わったとき、当時の政権与党の民主党は力強くEVを後押した。EVは走行中の排ガスがゼロなので、環境政策強化などを背景に何度もブームが起きているが、その都度挫折してきた歴史もある。

あまりにも早急にEVを推進すれば、ほかの技術の可能性が論じられなくなる恐れがある。自動車の主役は今なお、100年以上前から続く内燃機関を持つクルマだと信じている。仮に化石燃料がなくなろうとも、合成燃料を使うことで、内燃エンジンが生き残れる可能性は否定出来ない。

アンチEV派の私が未来への希望を感じるEVに出合った!

テスラ モデルS

今まで何度もブームが訪れたEV。あまり普及できなかった理由は突き詰めればバッテリーの問題だ。現状の技術ではリチウムイオン電池の飛躍的な性能向上は難しい。航続距離を確保するには大量の電池を積めばよいのだが、その分だけ車重が増してエネルギー効率が悪くなるというジレンマに陥る。もちろん電池代は価格にも反映される。

しかも、一旦電池残量がなくなれば、充電までに相応の時間がかかる。ガソリンならスタンドで5分もあれば満タンなのに、EVは急速充電でも30分間で8割しか充電できない。一般の電源なら満量まで一晩かかってしまう。ユーザー視点に立てば、EVの課題は航続距離よりも充電時間だろう。

そんなアンチEV派の私だが、未来への希望を感じるEVに出合ってしまった。テスラ「モデルS」だ。

モデルSは今年1月に自動運転を実現する「ソフトウェア7.0」のダウンロード提供を開始するとして話題を集めた車両だ。運転には「加速・操舵・制動」という3つの機能があり、自動運転車ではシステム側が1つないし2つ以上の機能を同時に制御するわけだが、単一の機能だけを扱う自動運転は既に市場に出ている。追従走行支援システムや自動ブレーキシステムなどがそれに当たる。

しかし、ソフトウェア7.0によって、モデルSはウインカーを出せば自動的に車線を変更する「オートレーンチェンジ」、高速道路と自動車専用道路で自動運転が可能な「オートパイロット」、縦列と直角の駐車が可能な「オートパーク」という3つの機能を持つことになる。これが今までにない新しい自動運転なのだ。

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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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