スズキ 新型スイフト 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
大きく進化を遂げたシャシー
走りについては、パワートレイン、シャシーともに大きく進化を遂げている。
1.2リッターエンジンは「K12B」という従来と同じ型式名ながら、吸気側だけでなく排気側にもVVT-iが採用されたことをはじめ、大幅に改良された。この主な目的は燃費の向上であり、さらにはトルクも向上する。
この改良型エンジンに、スズキではパレットで先に採用した副変速機付きのCVTが全グレードに組み合わされたのが大きなニュースだ。また、上級グレードXSを除いては、5速MTも設定されている。
販売の9割超を占めるというCVT車は、大きな変速比幅のおかげで発進加速もよく、フラットなトルク特性により、とても1.2リッターとは思えないほどの動力性能を実現している。
XSグレードでは、ステアリングのパドルシフトによりマニュアルシフトも可能。
フロアにセレクターに「D」と「M」のポジションはあるが、こちらに「+」や「-」はなく、マニュアルシフトはパドルシフトのみで行ない、またDレンジのままでも短時間のマニュアルシフト操作が可能となっている。これは合理的な設定だと思う。
フィーリングとしては、もう少し瞬時にシフトダウンしてくれるとなおいいし、その後の再加速でも、攻めた走りではもっと瞬発力が欲しいと感じるシーンも多々あったが、そこはあえて燃費を最優先して、このように味付けしているとのことだった。
一般走行においては、フラットトルクによる運転のしやすさと低燃費という恩恵は十二分に享受できるはずなので、ヨシとしたいと思う。
一方のMTに試乗すると、エンジン特性がCVTによって吸収されることがないので、よりダイレクトに伝わってくるわけだが、このエンジンは本当にフラットトルクで、1.2リッターらしからぬ味を持っていることをあらためて確認することができた。
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