日本版コンシューマレポート-スズキ 新型ソリオ ユーザー試乗レビュー-(4/5)

日本版コンシューマレポート-スズキ 新型ソリオ ユーザー試乗レビュー-
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新型ソリオのユーザー評価・レビュー/ドライビング

上記のデータを見ると、視界の良さ、静粛性、クルマの大きさ感など、新型ミニバンとして必要な項目は好評価だ。

ユーザーは「ソリオ」を、「立派なミニバンの仲間」として認めているのだ。

「エンジンパワーが物足りなかった」22.6%については、スズキとしては想定内だろう。排気量は1,242cc(最高出力91ps、最大トルク118Nm)の搭載車にしては、ボディサイズ感が大きいからだ。

ただし、筆者の試乗体験では「遅い」とか「かったるい」という印象はゼロだ。CVTが、非力なエンジンを十分にカバーしているからだ。

ユーザーが指摘する「物足りなさ」は、「(立派なミニバンなのに)たったの1.2リッター」という「思い込み」が強く影響していると思う。

この逆の発想もありだ。「(軽自動車のパレットっぽいのに)1.2リッターもある」という発想だ。「パレット」のつもりで「ソリオ」を高速道路を走らせると、「1.2リッターのありがたみ」が身に染みる。

「キビキビ走る感じがした」35.5%については、筆者の試乗体験とは食い違う。通常、ユーザーが言う「キビキビ」とはハンドルを切った際のクルマの動きのシャープさを指す。

「ソリオ」の場合、けっしてハンドリングはシャープではない。どちらかというと、マッタリ系だ。交差点を曲がる際に、筆者の予想を超えたハンドルの切り足しが必要だった。

ただし、ボディとサスペンションのバランスはズッシリ感があり、カッチリとしている。これに対してユーザーは「キビキビ」というイメージを持ったのであろう。

こうしたハンドリングと足回りのセッティングについて、スズキ側がこう質問してきた。

ダイハツ ムーヴ

「新型ムーヴと比べてどうですか?あちらさん(=ダイハツ)は結構、足が硬いと聞いていますが」(「ソリオ」ボディ設計担当者)

それに対して筆者は、

「足の硬さもそうですが、「ムーヴ」はハンドリングが、よりシャープでクイック。「ソリオ」はユッタリしたイメージがあります」

その後も、ハンドリングや乗り味についての問答は続いた。

そうしたなかで見えてきたのは、「スズキ側は、ダイハツとの違いを明確にする狙いはあるが、(それが本当に良いのかという)迷いもある」ということだ。

と同時に、「やはり、ライバルはダイハツ。トヨタ、日産、ホンダなどへの対抗意識は(ソリオでは)ない」と感じた。

このように「ソリオの走り」から見えてきたのは、「ソリオはパレットの上級車だ」ということ。スズキの意識はそこにある。

つまり、本稿最初にご紹介した、「ソリオのポジショニング」についてのユーザーの回答は、スズキ側の意図とドンピシャリ!

「ソリオ」は「軽自動車では物足りない人向け」という解釈が正解だ。

では最後に、設問「乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか?」の結果をお知らせしておく。以下は、その割合を示す円グラフと、「イメージが変わった」と答えたユーザーたちの意見である。

設問「試乗前後でイメージが違うと感じた方へ、その内容を教えてください」

・イメージと違ってキビキビ走ってくれた。パワーもなかなか (ボン太さん 鹿児島県)

・大変運転し易い加速もスムーズだ (ヤマグチさん 大阪府)

・乗る前のイメージよりは、パワー不足もそれほど感じなかった (ゆーこさん 千葉県)

・CVTが大変良くできており、音がとっても静かで滑らかな走りだったのには驚いた (シまさん 愛媛県)

・コンパクトな全長に対して、室内が広く感じるのでステップワゴンのようなワンボックスに乗っているような運転ポジションで、比較的楽な姿勢で運転できます。ただし、フロントガラスの縦幅がややせまいので視界はそれほどよくなかったです (だいのすけさん 千葉県)

・天井が高いので座っていても、気分がよい。また室内が思ったよりも広いので、前席と後席を行き来できたりして、とても良いです。自動スライドドアなので、買い物して手がふさがっていても、ドアの開け閉めがスムーズにできてよいと思いました。また、ステップも低めにあるため、乗り降りしやすい点がよい (ニックさん 千葉県)

・パレットを大きくしたモデルであるが、室内の前後方向の広さ感は基本的にパレットと同じようなもので、315mmもの延長分が感じられない (pontaさん 奈良県)

・コーナー時の足回りの柔らかい感じや、車高の高さによる不安定感は否めないものの、エンジンパワーについては、意外な程の力強さを感じた☆ (ツヨシさん 福岡県)

 ・ステアフィーリングは重いのに路面と乖離している感が強く、最近のスズキ車の中では極めて出来が悪かった。車線変更時にワンタッチ操作でウィンカーを自動的に3回点滅させる機能が付いていないのも最近のスズキらしくない (GONTAさん 兵庫県)

 ・静かだし、ハイトワゴンの割りに安定感がすぐれているという感じ。他社の5ナンバーフルサイズのミニバンが1,700mmの全幅をイッパイイッパイ使ったスタイルをとるため、サイド面が平板になったつまらないデザインのものが多い中、逆に1,700mmをギチギチ使わないために、気持ち彫刻的なサイド面を得ることが出来たのかなとも (サチのボーイフレンドさん 東京都)

・もっと地味な車だと思ったがそんなことは無かった。非常に乗りやすい。ただ斜め前方がピラーが当たって見にくかった (アッポさん 兵庫県)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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