日産 新型 セレナ[2013年12月末マイナーチェンジモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
内外装から安全面まで・・・多岐に渡った「セレナ」マイナーチェンジの内容とは
2013年12月のマイナーチェンジにおける日産 セレナの変更点は多岐にわたる。
最も分かりやすいのはフロントマスクだろう。ヘッドランプが上下に二分割され、中央のメッキグリルのデザインも変わった。軽く睨みを利かせた存在感の強い顔立ちになっている。LEDヘッドランプも20Sを除く全車に6万3000円でオプション設定。夜間ドライブ時の安心感を高めた。
さらに、人気の中心となるエアロ付きグレード「ハイウェイスター」シリーズでは、ボディサイドの下側に装着されたサイドシルプロテクターのデザインを変更。フロントバンパーとの一体感が増している。
マイナーチェンジで最も進化したのは安全装備
実用面で大幅に進化したのは安全装備だ。ベーシックな「20S」以外のすべてのグレードに先進安全システム「エマージェンシーブレーキ」が標準装着された。センサーには1個のカメラを使って、時速10~80kmの範囲で作動する。カメラ方式だから、ミリ波レーダーや低速域に限定された赤外線レーザー方式と異なり、車両のほかに反射の少ない歩行者を見分けることも可能だ。
衝突の危険を検知すると、ディスプレイの表示とブザーでドライバーに警報を発する。衝突する可能性がさらに高まると緩いブレーキを作動。衝突不可避の時には、強い緊急ブレーキを働かせる。カメラ方式だから車線の検知も可能で、逸脱しそうな時はドライバーに注意を促す。
そして8万6100円を加えて「アドバンスドセーフティパッケージ」装着車を選ぶと、アラウンドビューモニターとフロント&バックソナーも追加される。アラウンドビューモニターは車両の四隅にカメラを取り付け、その画像データを組み合わせることで、車両を上空から見た映像としてルームミラーやオプション装着されたカーナビの画面に表示する。移動物の検知機能も備わるから、後退している最中に歩行者が接近した時などは、ドライバーに警報を発して安全性も高まる。
フロント&バックソナーは、ゆっくりと前進や後退をしている時、障害物に接近すると危険を知らせる機能だ。障害物検知機能自体は目新しいものではないが、セレナでは接触の危険があると判断すると、エンジンの出力を落としたりブレーキも作動させる。アクセルとブレーキを踏み間違えて、壁や建物に向かって急発進する事故も防ぐ。
このほかアドバンスドセーフティパッケージ装着車では、ハンドルの操作からドライバーの疲労を検知して、注意を促すふらつき警報も採用した。
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