なぜ、いまスズキは“軽”ではなく“小型車”にこだわるのか【イグニス 徹底解説】(2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
ボディサイズを考慮すれば満足出来る、後席の広さとラゲッジルーム
イグニスのインパネデザインはシンプルではあるものの、コンパクトカーとして質感に不満は無い。
メーカーオプションでは、全方位モニター付きのメモリーナビが「14万2,560円」(ハイブリッドMZとMX)が用意される。このメモリーナビの操作性や視認性は良い。
また、イグニスは空間効率にも優れている。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ1つ半程度の余裕がある。
前後席のヒップポイント間隔は765mm。後席の足元空間は感覚的にはスイフトと同程度だが、開発者は「25mm広い」という。
後席に座った乗員の足が前席の下に収まりやすく、広々感はないが窮屈でもない。後席には165mmの前後スライド機能も備わる。荷室容量も、ボディサイズを考えれば満足できる広さだろう。
イグニスの燃費が優秀な二つの理由
エンジンラインナップは、直列4気筒の1.2リッターのみ。
最高出力は91馬力(6,000回転)、最大トルクは12kg-m(4,400回転)。トランスミッションはCVT。動力性能やCVTのギヤ比はすべてソリオと共通だ。
駆動方式は「2WD」と「4WD」を設定。2WDのJC08モード燃費は車両重量が880kgのハイブリッドMZとMXは「28km/L」、850kgのハイブリッドMGは「28.8km/L」と優秀だ。
低燃費には2つの理由がある。ひとつは900kgを下まわる軽いボディで、2つ目はマイルドハイブリッドの採用。ソリオのほかにもハスラー(軽自動車の名称はSエネチャージ)などが採用するシステムだ。
モーター機能付き発電機のISGが、電装品に電力を供給することを主目的とした発電、アイドリングストップ後の再始動(スターターモーター機能)、さらに最長で30秒間にわたるエンジン駆動の支援(ハイブリッド機能)を担当する。
モーターの最高出力は3.1馬力だからほとんど体感できないが、低回転域における燃費向上の効果は小さくない。また、ISGの採用でアイドリングストップ後の再始動音が抑えられている。
プラットフォームは前述のようにソリオと共通。サスペンションは前輪側がストラットの独立式、後輪側は2WDがトーションビーム、4WDはI.T.Lの車軸式になる。
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