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新型車解説 2017/5/5 15:00

スバル XVの軌跡 ~初代から最新まで歴代モデルを徹底解説~

スバル XVの軌跡 ~初代から最新まで歴代モデルを徹底解説~
スバル 新型(3代目)XV 1.6i-L アイサイト(ボディカラー:クールグレーカーキ)

スバルの新型XVは、2017年4月6日に発表されたが、納車を伴う発売は5月24日となる。インプレッサスポーツをベースに開発された派生車種だが、外観をSUV風に仕上げている。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を200mmに拡大して走破力を向上させ、サイドクラッディング(ホイールアーチやボディの下まわりに装着された黒い樹脂製の装飾)なども装着した。インプレッサスポーツとは見栄えも異なり、先代型と同じく人気を高めるだろう。そこでXVの歴史を改めて振り返りたい。

ちなみに新型XVの納期は約3か月。発表が4月6日だからすでに受注を開始しているが、発売は5月24日と遅いために納期を伸ばしている。最近の新型車はスバルに限らずメーカーの効率を優先して、発売前に大量の受注を貯め込んで生産を開始するのが当たり前になった。その結果、納期が伸びてしまう。

またXVの試乗車が販売店に配車されるのは、5月下旬頃の見通しだ。試乗して納得した上で契約すると、納車が9月以降にズレ込む可能性もあるので注意したい。

初代インプレッサ XV(発売:2010年)

スバル 初代インプレッサXV

初代XVは2010年6月に3代目インプレッサ5ドアの派生車種として誕生した。そのために車名は「インプレッサXV」としている。

当時は2007年に一斉に発売された2代目(先代)日産 エクストレイル、日産 デュアリス、トヨタ ヴァンガード、3代目(先代)フォレスターが堅調に売れて、SUVが注目されていた。初代XVの登場と同じ2010年には、個性的なコンパクトSUVの日産 ジュークが発売され、SUVの世界を広げている。

スバル 初代インプレッサXV

その意味では初代XVも、新しい市場を開拓した。インプレッサ5ドアをベースにSUVを造る手法は、レガシィアウトバックに似ているが、XVはボディがコンパクトだ。全長は4430mm、全幅は1770mm、全高はルーフレールを装着した上で1520mmに収めた。従って混雑した街中でも運転がしやすく、立体駐車場も利用しやすい。

外観を変更する手法は今日のXVに近い。サイドクラッディングとワイドなフェンダーを装着して、フロントバンパーからボディサイド、リアまわりまでブラックのパーツを連続させている。外観に引き締まり感を持たせた。

ルーフの周辺にも、先に述べたラダータイプのルーフレールと大型ルーフスポイラーを装着。SUVらしさを演出している。このほかダーク調ハイクラスター塗装の16インチアルミホイールも採用した。

スバル 初代インプレッサXV

グレード構成は豊富で、エンジンは水平対向4気筒の1.5リッターと2リッターを用意する。駆動方式は前輪駆動の2WDと4WD(スバルはAWDと呼ぶ)だ。トランスミッションは4速ATが基本だが、1.5リッターには5速MTも設定した。

サスペンションはベース車のインプレッサと同様、前輪がストラット、後輪がダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架になる。後者はサスペンション本体の前側にトーコントロールリンクを備え、マルチリンクと呼べる機能を持たせた。

スタビライザー(ボディの傾き方を制御する棒状のパーツ)は、ベース車のインプレッサでは前輪のサスペンションに装着したが、XVではリア側にも備わる。ショックアブソーバーの減衰力もインプレッサとは異なり、走行安定性と乗り心地のバランスを最適化している

なお最低地上高は155mmで、ベースとなった3代目インプレッサと同じだ。SUV風のモデルながら、初代XVでは拡大しなかった。そうなると悪路の走破力もインプレッサと同程度だ。

スバル 初代インプレッサXV

外観の見栄えもボディ下側の力強さがいまひとつで、SUVでは少し貧弱に見えた。XVの発売時点で、3代目インプレッサが3年を経ていたこともあり、XVの売れ行きは伸び悩んでいる。

しかし最低地上高を変えずにリアスタビライザーを加えた足まわりにより、走行安定性と乗り心地は、インプレッサの5ドアハッチバックと比べて同等かそれ以上であった。

特に1.5リッターエンジン搭載車は、インプレッサが15インチタイヤなのに対してXVは16インチに拡大。リアスタビライザーも備わり、エンジンの排気量が小さい割に上質な運転感覚を味わえた。

発売時点の価格(5%の消費税を含む)は、1.5リッターを搭載した2WDの1.5iが183万7500円(4速AT)。2リッターで4WDの2.0iが214万2000円(4速AT)。後者の価格はインプレッサ5ドアの同グレードに比べて8万4000円の上乗せに収まり、趣味性の強いSUV感覚の車種としては価格が割安であった。この特徴は2/3代目にも受け継がれ、買い得感は今でもXVの大切なセールスポイントになっている。

2代目インプレッサ XV(発売:2012年)

スバル 2代目 インプレッサXV (ボディカラー:タンジェリンオレンジ・パール)スバル 2代目 インプレッサXV (ボディカラー:タンジェリンオレンジ・パール)

先代型となる2代目XVは2012年9月に発表され、10月に発売された。ベースは4代目インプレッサスポーツで、XVは10ヶ月ほど遅れて登場したが、待っていたユーザーも多く人気車になった。

好調に売れた背景には、4代目インプレッサスポーツの外観が直線基調に変わり、丸みのある3代目に比べると、SUVスタイルとの相性が良かったこともあるだろう。

SUVへのアレンジも本格的で、最低地上高はレガシィアウトバックと同じ200mmに拡大された。初代XVに比べると50mmの余裕があり、悪路のデコボコを乗り越えやすい。

その一方で、ルーフレールを装着しない場合は全高が1550mmに収まる。200mmの最低地上高を確保しながら全高を1550mm以下に抑えた立体駐車場を使いやすいSUVは、3代目になった現時点でもXVだけだ。この特徴も有力なセールスポイントになる。

外観は初代XVと同様、サイドクラッディングをボディの周囲に装着した。余裕のある最低地上高、個性的にデザインされた17インチアルミホイールと相まって、SUVの魅力を大幅に強めている。

スバル 2代目 インプレッサXV

エンジンは水平対向4気筒の2リッターで、発売時点でのグレードは3種類。初代XVに比べると選択肢は大幅に限られたが、前述の多岐にわたる魅力によってマイナス要素にはならなかった。

緊急自動ブレーキを作動できるアイサイトは、発売時点からバージョン2を搭載。優れた安全性能も特徴であった。

ボディカラーの設定も意欲的で、鮮やかなタンジェリン・オレンジパール、SUVらしさの際立つデザート・カーキを用意する。これも注目を集める要因となった。

2リッターエンジンはパワフルとはいえないが不満のない動力性能を発揮して、最低地上高に余裕のあるSUVとしては、走行安定性が優れていた。

スバル 2代目 インプレッサXV ハイブリッドスバル 2代目 インプレッサXV ハイブリッド

ただし乗り心地は、粗さはないものの少し硬く感じられ、2013年にショックアブソーバーの減衰力を見直している。

また同じ2013年には2リッターエンジンをベースにするハイブリッドも追加した。4WDが備わり、燃費向上のための機能低下は見られない。2代目XVはCVT(無段変速AT)を採用しており、13.6馬力の駆動用モーターをCVTに一体化する構造のハイブリッドであった。

JC08モード燃費は20km/L。ハイブリッドでは数値が低く、2リッターのノーマルエンジン車と比べても燃費数値は125%程度だが、実用回転域の駆動力を巧みに補うメリットがあった。XVの2リッターエンジンは少し高回転指向で(現行型では改善された)、アクセルペダルを緩く踏み増した時の反応が鈍く感じたが、ハイブリッドはこの時に効果を発揮する。モーターは即座に反応するから、エンジンの低回転域における欠点を補って自然な加速感を得ていた。

2014年にはノーマルエンジン、ハイブリッドともに改良を施し、前者はアイサイトを今日と同様のバージョン3に進化させた(ハイブリッドはバージョン2を踏襲)。ショックアブソーバーやスプリングにも改良を加え、ボディの補強も実施している。

これらの相乗効果で走行安定性が底上げされ、ステアリングのギヤ比を15.5から14.0にクイック化した。走行安定性の向上に合わせて、操舵に対する反応も少し機敏にしてスポーティ感覚を強めている。

このほかウインドウの構造を変えて静粛性を改善するなど、さまざまな機能を高めた。

スバル 2代目 XV 2.0i-L EyeSight(ボディカラー:ハイパーブルー)[2015年10月改良モデル]

2015年にはさらに改良を実施。アドバンスドセイフティパッケージをオプション設定して、後方の並走車両を検知する機能などを採用。サイド&カーテンエアバッグを標準装着するなど、安全性能を大幅に引き上げている。

インプレッサが現行型にフルモデルチェンジしたのは2016年だから、XVは最後まで進化を続けたことになる。ユーザーは常に最良のXVを買うことが可能で、発売から時間を経過しても売れ行きがあまり下がらなかった。開発する車種数を少なく抑えたスバルならではの綿密な商品戦略だ。

そして最後まで進化を続ける開発姿勢は、ユーザーと自社製品に対する愛情の深さとも受け取られ、スバルファンをさらに増やしている。

[レポート:渡辺陽一郎]

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