今年の「ニュル24時間耐久」STIは勝ちに行く!(1/2)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:マリオ二等兵
機は熟した!2011年目指すは「優勝」の2文字
STIは2011年のニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両のベースモデルをインプレッサWRX STIの「tS」に変更。富士スピードウェイで行われたニューマシンのシェイクダウンの現場では、STIの優勝にかける意気込みと自信のほどが伝わってきました。
世界屈指の難コースであるドイツ・ニュルブルクリンクサーキットは、世界のレースカーやスポーツカーの“鍛錬”の場としても知られます。このマリオ二等兵も実際にニュルを走ったことがありますが、冗談ヌキで失禁を誘発する、想像をはるかに超える過酷なコースでした。
300mの高低差というのは、ほとんど崖を下ったり登ったりするようなもので、サーキットというより、レールのないジェットコースターのようなもの。一周走っただけでヘトヘトに疲れたものです。
そんな厳しいコースで24時間耐久レースをやるのは尋常ではありませんが、だからこそ好成績を納めたチームとクルマは賞賛されるに値し、毎年200組以上の参加チームを数える人気を博しているのであります。
STIは車両実験部の辰己英治監督の元、2008年から現行型のインプレッサで参戦しており、2008~2009年はクラス5位、2010年はクラス4位の成績を収めていますが、どちらかというと過去の3年は「開発と熟成」に主眼を置いたような雰囲気でした。戦うクルマとして生まれたインプレッサをWRCワークス撤退後も鈍らせることなく、実戦で鍛え続けることを狙っての参戦だったといえるでしょう。
しかし、参戦4年目の今年は違います。過去3年の参戦によりマシンは確実に速くなりチーム全体に「優勝」という結果を求める姿勢が強く現れていました。
今年のマシンは去年までのハッチバックではなく、セダンtSがベース車なので新しくなりましたが、当然ながらこれまでの参戦で得た経験を活かした熟成版です。(カーボン製のボンネットなど、旧モデルからの流用パーツも)
辰己監督は、「ファンのためにもそろそろ実戦で結果を出さなければなりません。去年までで勉強した成果は挙がっており、ニューマシンのテストは私自身も楽しめるものでした。富士SWでは去年より1秒ぐらい速く、今年はイケる!という手応えを掴んでいます!」と自信満々の笑みを浮かべました。
辰己監督みずからハンドルを握り、距離にして1000km以上もの走行テストを繰り返したようですが、実はこれこそがチームSTIの最大の強みなのです。
辰己監督は、レオーネや初代レガシィの頃から車両実験に携わってきたテスト・エンジニアであり、今は「tS」のようなSTIのスペシャルモデルの開発責任者。ベースとなる市販車の特性を知り尽くしている人がレースカーを作り、さらに自分でテストを行ってセッティングを煮詰める体制を敷いているレースチームは希有な存在なのです。
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