スバル プレオ 試乗レポート

  • 筆者: 西沢 ひろみ
  • カメラマン:小宮岩男
スバル プレオ 試乗レポート
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独創のメカニズムを誇るプレオが、スポーティ系を中心にマイナーチェンジ。

他の軽自動車と一線を画し、スーパーチャージャーやCVTなど独創のメカニズムを満載するのが、スバルの最小レンジにあたるプレオだ。ボディサイズも乗用車とミニミニバンの融合を図り、全高を1575mmに抑えている。バリエーションはスポーティ・プレオ、カジュアル・プレオ、ヨーロピアン・ネスタ、キュート・ニコットの4タイプ。それぞれフロントマスクが異なり、趣向の違いを主張している。

デザインを一新するとともに、エアロで武装したスポーティ系のスタイルは、従来の大人っぽさから脱皮。個性的なボーイズレーサー風のイメージが強く打ち出されている。スバルのスポーティイメージの統一が図られたインテリアは、鮮やかなブルーがあしらわれたシート地が印象的だ。

最速バージョン・プレオRSの目指した走りは、リッターカークラスに優る質の高い乗り味。

103N・mまで最大トルクが引き上げられたDOHC4気筒スーパーチャージャーエンジンは、アイドリングのすぐ上の回転域から得られる力強い加速が身上だ。低中速域の加速フィールは、ターボ過給を採用するライバル車に確かに後塵を浴びせる。世界初、クラス唯一の7速スポーツシフトi-CVTは、シフトスケージュールやマニュアルモードの変速比が見直され、気持ちいいレスポンスに磨きがかかる。ステアリングのスイッチによるシフトアップ&ダウンは、まさにゲーム感覚の楽しさだ。欧州ミニをライバル車に想定したという足回りは、フロントのクロスメンバーの強化やスタビライザーの形状変更などでサスペンション剛性をアップ。このため乗り心地は比較的硬めに感じる。けれどもワインディングロードへ足を運べば、この硬さがしなやかさへと変わる。左右に連続するコーナーで素直なハンドリングが楽しめるはずだ。さらに4気筒ならではの静粛性の高さ、直進安定性がワンランク上の高速クルージングを味わわせてくれる。オールラウンドな場面で体感できる質の高い乗り味こそプレオRS最大の魅力といえるだろう。

絶対的な広さよりも、居心地の良さを重視した室内空間。プレオのこだわりのひとつだ。

なんといっても自慢の種は、厚みのあるクッションを採用したスポーティタイプのフロントシートだ。ホールド性、座り心地ともに良好で、ロングドライブでも疲れが最小限に抑えられる。独創の機構は、リアシートの座面の高さが左右それぞれ4段階に変えられること。最大100mmのリフトアップは体型に合わせて調整できる上、後方視界の良さにもつながり、子供のクルマ酔いが防げる優れものだ。ラゲッジスペースは一般的な広さを確保しているが、サスの張り出しがちょっと気になるところ。ヘッドレストをつけたまま、ワンアクションで倒せる5:5分割可倒式のリアシートは利便性が高い。収納はそれほど多くはないけれど、ラゲッジスペースとリアシートの間のアンブレラボックスや仕切り付のサブトランクは使い勝手が高い。残念なのは、後席用は2つ用意されているのに、前席用のカップホルダーが1つしかないこと。

走りにこだわったライバル車が登場。スポーティモデルの新しい時代が始まる。

軽自動車のジャンルは次々に幅が広がっている。ユーザーの嗜好に合わせ、ターゲットを絞り込んだクルマ作りが行なわれているからだ。その中で、他メーカーが手を引くスポーティモデルに力を注いできたのがスバルといえる。レガシィ、インプレッサの血を引く走行フィールが与えられたプレオは、まさにクラスを超えた仕上がり。特にエンジンの静粛性、ストレスのないi-CVTの吹き上がり感は、軽自動車が苦手とする高速クルージングの快適性に大きく貢献している。さらに「良-低排出ガス」認定の取得、燃費の良さも、スバルならではの堅実路線のクルマ作りが伺えるところだ。

さて、スポーティ市場を独占してきたプレオに、この秋、ライバル車が登場した。YRVの弟分的存在といえるダイハツMAXだ。もちろん主流はまだまだドレスアップ志向、パッケージング重視だけど、スポーティモデルの新しい時代が始まりつつあるのかもしれない。

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筆者西沢 ひろみ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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