スバルの四駆を“雪上”で徹底解剖!レガシィB4・インプレッサ・フォレスターなど「ACT-4」編(2/2)

スバルの四駆を“雪上”で徹底解剖!レガシィB4・インプレッサ・フォレスターなど「ACT-4」編
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アクティブトルクスプリットAWD (ACT-4)

スバル レヴォーグスバル レガシィアウトバック

【搭載車種】 レヴォーグ(1.6L車)/レガシィB4/アウトバック/インプレッサシリーズ(AT車)/XV/フォレスター(AT車)/クロスオーバー7

構造:電子制御LSD(油圧多板クラッチ)

基本的な前後トルク配分/前60:後40

基本的にはフロント側の駆動配分が多いため、FF車に近い挙動で安定志向が強く、誰にでも扱いやすいのが特徴。前後の駆動配分はスバルAWD車の重量配分に近い60:40とし、車速センサーで四輪の駆動状況とエンジントルクを常にモニタリング。状況に応じて100:0のFF状態から50:50の直結状態までと、4種類のスバルAWDの中ではもっとも駆動配分比率の変動量が多いシステムです。

スバル レガシィB4スバル レヴォーグ

とにかく状況を問わず鉄壁の安定性を保つことに長けたシステムで、意図的な操作をしない限り、雪上/氷上コーナリングでも無駄なテールスライドを可能な限り抑えてくれます。その一方で、横滑り防止装置のVDCをオフにして大胆な操作をすると後輪のスライドをきっかけとしたドリフト状態に持ち込むことも容易で、ただ安定するだけで退屈さを覚えるようなことはありません。氷上での定常旋回でも、コツさえつかめばラリーカーのようにクルクル回ることも可能です。安定性のみを追求したオンデマンド式や生活四駆とは明らかに一線を画すシステムといえるでしょう。

ゲレンデタクシーなどで、新井敏弘選手や鎌田卓麻選手が運転するフォレスターやアウトバックを見ると、基本的にはフロント駆動寄りのシステムとは思えないほどガンガンドリフト状態で走っていることがわかりますが、両選手とも「このシステムでラリーに出たら案外早いタイムが出るはず」と真顔で語っています。さらに新井選手は「最新のACT-4はランサーエボリューションのAYCにも近いフィーリングがある」ともコメントされたなど、「電子制御で曲がる」という機能は相当磨きがかかっております。

新世代ACT-4は制御介入の仕方が実に上手い

スバル レガシィアウトバック

ACT-4のルーツを辿ると1981年のレオーネに搭載された初の電子制御AWDシステム「マルチプレートトランスファー」に遡り、1987年にはおおむね今のシステムに近いものが完成。

1991年に「VTD-AWD」が登場してからは「NAエンジン+AT専用のシステム」として長年展開し、一時期は後輪への駆動配分量が少ない制御とした時代もありましたが、現行型のフォレスターから「ターボエンジン+AT」にも搭載されるようになったことからも、ACT-4はスポーツ走行にも十分対応出来る駆動力を確保し自在に制御できるようになったとのスバルの自信がうかがえます。

スバル インプレッサスポーツ

横滑り防止装置のVDCとのコンビネーションも実に巧みで、フロントがグイグイ引っ張りながら向きを変えて、それをリアがしっかりサポートしてくれているという感触は、四駆システムとVDCとの共同作業によるところが大きいようです。VDCをオフにしても最終的には制御がかかるのですが、制御介入の仕方が実に上手い!

アクセルを踏み込んでも無駄な空転を抑えながらトラクションを最大限に確保してくれるし、挙動を安定させつつ、曲がる方向へも導いてくれる感覚は、現行型に搭載される新世代のACT-4ならではといえます。

VDCを完全オフにできないのは、ただ安全性を確保したいだけではなく、VDCの制御を使って積極的に曲げていきたいという狙いもあるからではないでしょうか。 インプレッサシリーズやフォレスターなど、近年のスバルの一番の売れ筋モデルに搭載されるシステムだけに、進化・熟成の度合いは他のシステムよりも大きくなった模様です。

「あれば鬼に金棒」なX-MODE

スバル フォレスタースバル レガシィアウトバック

フォレスターやアウトバックには、このシステムに加えて「X-MODE」を用意。これは本格的なクロカン四駆車のような超ローギア状態を緻密な電子制御で再現するもので、アイスバーン登坂路での発進や、大量の新雪が降り積もったフカフカの雪の上、あるいは片輪が浮いてしまうような凹凸の激しい道などでの走破や脱出を助けてくれます。今回X-MODE体感のために用意された特設コースでは、実はX-MODEなしでも各車余裕で走れてしまったのですが、「あれば鬼に金棒」的な装備であると覚えておいておきましょう。

「X-MODE」によるフカフカ路面からの脱出インプレッションについてはこちらもご参考ください。

ACT-4搭載車の印象の違いについては、「雪/氷の上では軽いほどスポーツ度が増す」ということと、「フォレスターのロードクリアランスの余裕とホイールストローク感がもたらす絶大な安心感」が特に際立ちました。

スバル XV

SUV系では、アウトバックもフォレスターもXVもXVハイブリッドも、どれも同じように前述したAWDシステムの性能を味わえましたが、やはり車重が小さいとより面白くてホットになるのは明らか。XVハイブリッドは重い電池を積むことで車体の前後重量配分が均一化され、結果として走りが良くなったことは雪上/氷上でも十分実感できたものの、それでもやはり標準のXVの軽快さもあらためて魅力的です。

ACT-4搭載車では最軽量・最低重心のインプレッサスポーツ2.0i-Lも軽さが武器となり、雪上/氷上ではスポーツカーのようにホットな走りが楽しめて大感激!

フリーライターのマリオ高野さん

ズッシリとした重厚感をはじめとする性能的、物理的な余裕と、ヒラヒラとした軽快感のどちらをよしとするのかは個人の嗜好によって左右される部分ですが、個人的には軽いクルマの方がより心躍るものを感じます。

また、雪上といっても凹凸部分はかなり固く、路面からの入力は一般的なドライ路面よりも強烈なので、サスペンションの動きやシャシー剛性の良し悪しもハッキリするのも興味深いところ。 この点に限っては、フォレスターなどの重量級モデルの方がより骨太感が強く、遮音も効いて快適性が高いことを実感しました。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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